トヨタが新型車「bZ3」を中国で発表 BYDなどと共同開発したEVセダン
2022.10.26 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2022年10月24日、電気自動車(EV)「bZ」シリーズの第2弾モデル「bZ3」を中国で発表した。
トヨタのクルマづくりのノウハウとBYDの電池技術が融合
トヨタbZ3は、トヨタと比亜迪股份(BYD)が設立した電動車技術の合弁会社BYD TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニーと、一汽トヨタ自動車が共同開発したセダンタイプのEVである。ボディーサイズは全長×全幅×全高=4725×1835×1475mmと、おおむねDセグメントに相当する。
開発に関しては、BYDや一汽トヨタのエンジニアに加え、トヨタからもデザイン、生産、技術、品質管理などの分野から100名以上のエンジニアが参加。生産・販売は一汽トヨタによって行われる。
車両のつくりも各社のノウハウを融合したものとなっている。具体的には、電動パワートレインについては、BYDのリチウムイオンLFP電池(リン酸鉄リチウムを使用)をベースに、トヨタがハイブリッド車の開発で蓄積してきた電動化技術と知見を持ち寄り、電池構造、冷却システム、制御システムと安全監視システムを新設計。高品質、高効率、先進的かつ安心・安全なシステムを実現したという。
これにより、CLTCモード(中国独自の自動車テスト基準にもとづいた走行モード)における最長航続距離は600km超を実現。同時に「10年後でも90%の電池容量を維持すること」を開発目標として、電池劣化の抑制を図っている。
一方、車体にはトヨタのEVプラットフォーム「e-TNGA」を採用しており、低重心な設計を通して優れた操縦安定性と意のままに操れる気持ちのよい走りを追求。筋肉への負担が少ないドライビングポジションを採用するなど、長距離運転時の疲労軽減も重視した設計となっている。さらにアクセル、ブレーキ、ステアリングの作動特性を最適にチューニングし、運転者はもちろん同乗者にとっても快適な乗り心地を実現したという。
デザインは既出のSUV「bZ4X」との共通性を感じさせるもので、フロントまわりにはトヨタがbZシリーズのアイコンとしている“ハンマーヘッド形状”を採用。2880mmのロングホイールベースとファストバックのロングキャビンを組み合わせた、伸びやかなサイドビューも特徴となっている。また空力性能も重視しており、バンパーのコーナー部分にエアガイドとエアカーテンを設けたほか、フラットな形状のドアハンドルを採用。アルミホイールやリアバンパーまわりも空気抵抗を減らすデザインとすることで、Cd値(空気抵抗係数)を0.218に低減した。
一方インテリアでは、インストゥルメントパネルの中央に大型センターディスプレイを装備するとともに、それと一体となったトレイ型のコンソールを配する「デジタルアイランド」と呼ばれるデザインを採用。エアコンやオーディオ、トランクなどの操作機能は大型ディスプレイに集約しており、音声認識機能の採用とも相まって、利便性と先進性を大幅に進化させたという。このほかの装備も充実しており、スマートフォンとマルチメディアとの連係機能や、携帯端末のワイヤレス充電器なども採用されている。
(webCG)