日産ノート オーラNISMOチューンドe-POWER 4WD(後編)

2025.03.06 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 特別なチューニングが施された4WDの「ノート オーラ」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。その走りは「NISMO」の名を冠するにふさわしいものなのか? 歯に衣(きぬ)着せぬ谷口節がさく裂する。
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「うーん」と思うところはある

いつものワインディングロードを「ノート オーラNISMOチューンドe-POWER 4WD」で走り始めたとき、「エンジンがかかっていてもなかなか静かですね」と評価した谷口信輝。続いてアクセルペダルを戻したときの減速Gの立ち上がり方にも満足している様子だった。

では、肝心のコーナリングはどうなのか。
「コーナーでは、クルマが低重心で、タイヤが路面に吸い付いているみたいな感触が味わえます。ただし、パワー不足で、タイヤの限界まで使い切るようなコーナリングがなかなかできないのが、ちょっともどかしいですね」

気がつけば、走り始めたときには「静か」と好評価を下したエンジン音のボリュームが次第に大きくなり、やがてはっきり聞こえるまでになってきた。
「あれー。さっきは静かだと思っていたんですが、だいぶエンジン音が聞こえるようになってきましたね。それも、加速しようとすると、まずエンジン音がウォーンと高まって、そこから車速が徐々に追いついていくような印象です。まるで、ひと昔前のCVTを積んだクルマみたいです」

ご存じのとおり、日産のe-POWERはエンジン出力で発電機を回し、ここで得た電力でモーターを駆動するシリーズ式ハイブリッドの一種。そして発電機で生み出した電力を効率的に使うため、高電圧のリチウムイオンバッテリーを搭載しているが、あらかじめバッテリーに充電してあった電力を使い果たすと、あとはエンジンが発電機を回して必要な電力を発生させなければならないので、どうしてもエンジン音が高まる傾向がある。その音量差が予想外に大きかったことが、谷口には不満だったらしい。

もっとも、日産に同情したくなる側面もある。なにしろ、われわれが試乗に用いているワインディングロードは、最大で10%もの急勾配が続く難所。ここを気持ちよく走ろうとすれば、バッテリーに蓄えた電力をあっという間に消費してしまったとしても不思議ではない。また、車両価格と車重を抑えるため、比較的コンパクトなバッテリーをチョイスしたことも、こうした場面では裏目に出たといって間違いないだろう。

 
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