第931回:幻ですカー 主要ブランド製なのにめったに見ないあのクルマ

2025.10.09 マッキナ あらモーダ! 大矢 アキオ
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

「トナーレ」のダッジ版

トランプ米大統領の関税政策の余波は、イタリア自動車産業に早くも影を落とし始めている。そのひとつは、ダッジの生産停止だ。

読者諸氏からは「おい、ダッジってアメリカのブランドだろうが」という声が上がるに違いない。そこで説明すると、ダッジのエントリーモデルとして2022年北米市場に投入された「ホーネット」は、イタリア南部のステランティス・ポミリアーノ・ダルコ工場で生産されていたのである。実は同車、「アルファ・ロメオ・トナーレ」の姉妹車なのである。

2025年8月17日付『デトロイト・ニュース』電子版によると、ステランティスはヨーロッパ製完成車の税率が正式に決まる前に、ホーネットの在庫を確保すべくイタリアから北米に移送。続いて状況を見定めるため、イタリアでの生産を停止したという。

このダッジ・ホーネット、欧州では正規販売されていないことから、一般ユーザーはもちろん、自動車好きでも存在を知る人はかぎられている。いや、これからも知名度が上がることはないだろう。

いっぽう、欧州で主要メーカーから発売されたにもかかわらず、めったに見ないモデルもある。今回はそうしたクルマ、名づけて「幻ですカー」を取り上げてみたい。

北米で販売されている「ダッジ・ホーネット」は「アルファ・ロメオ・トナーレ」の姉妹車。同じイタリアの工場で生産されている。
北米で販売されている「ダッジ・ホーネット」は「アルファ・ロメオ・トナーレ」の姉妹車。同じイタリアの工場で生産されている。拡大
「ダッジ・ホーネット」。パワーユニットは2リッターガソリンエンジンか1.3リッターエンジン+ハイブリッドで、いずれもAWD。
「ダッジ・ホーネット」。パワーユニットは2リッターガソリンエンジンか1.3リッターエンジン+ハイブリッドで、いずれもAWD。拡大
「ダッジ・ホーネット」の室内。
「ダッジ・ホーネット」の室内。拡大
「ダッジ・ホーネット」のATセレクターレバー周辺。「アルファ・ロメオ・トナーレ」のドライビングモード切り替え機構「DNA」は省略されている。代わりにスポーツモードのオン/オフスイッチが備わる。
「ダッジ・ホーネット」のATセレクターレバー周辺。「アルファ・ロメオ・トナーレ」のドライビングモード切り替え機構「DNA」は省略されている。代わりにスポーツモードのオン/オフスイッチが備わる。拡大