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【スペック】全長×全幅×全高=4020×1770×1485mm/ホイールベース=2585mm/車重=1240kg/駆動方式=FF/2リッター直4DOHC16バルブ(202ps/7100rpm、21.9kgm/5400rpm)/価格=299.0万円(テスト車=314.0万円/ボディカラー=15万円)

ルノー・ルーテシア ルノースポール(FF/6MT)【試乗速報】

今のホットハッチの頂点 2009.10.19 試乗記 森口 将之 ルノー・ルーテシア ルノースポール(FF/6MT)
……314.0万円

「ルーテシア」に、ファン待望のスポーティバージョン「ルノースポール」が登場。モータースポーツのノウハウがたっぷり注ぎ込まれた、最新ホットハッチの走りを試す。
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日本仕様はシャシースポール

新型「ルーテシア・ルノースポール(RS)」に初めて乗ったのは今年7月。場所はフランスだった。日本では同時に発表された「トゥインゴRS」とともに、5日間で1500kmを走破した。予想以上に快適で、しかも楽しく移動できたので、最後は名残り惜しい気持ちになったのだが、だからこそ日本の道でも好印象を抱けるのかという不安を持ちつつ、今回の試乗に臨むことになった。

わが国では3年ぶりの復活となるルーテシアRS、3ドアボディに2リッター自然吸気エンジンを積んだ前輪駆動という基本構成は不変だ。しかしエンジンは連続可変インテークバルブタイミングの採用などにより、最高出力202ps、最大トルク21.9kgmをマーク。リッター100psの壁を突破してしまった。おまけにマニュアルトランスミッションは5段から6段に進化してもいる。

シャシーでは、ハブキャリアをストラットから切り離したダブルアクスルタイプのフロントサスペンションをメガーヌRSに続き導入したことがトピックになる。トレッドを前後とも1520mmと、スタンダードのルーテシアより60/65mmも広げたことも特徴だ。
このシャシーは他のRS同様、快適性を考慮した「シャシースポール」と運動性能優先の「シャシーカップ」の2種類のチューニングが用意される。フランスでは両方に乗ることができたが、その時点でスポールのほうがキャラクターに合っていると思ったので、日本仕様がこちらのみとなるのは納得だ。


ルノー・ルーテシア ルノースポール(FF/6MT)【試乗速報】の画像 拡大

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タイヤは、特別に開発されたという「コンチネンタル スポーツコンタクト3(215/45R17)」が装着される。ブレーキは、フロントに、直径312ミリのブレンボ製ベンチレーティッドディスク+ブレンボ製4ポットキャリパー、リアには、直径300ミリのブレンボ製ソリッドディスク+TRW製シングルピストンキャリパーが組み合わされる。
タイヤは、特別に開発されたという「コンチネンタル スポーツコンタクト3(215/45R17)」が装着される。ブレーキは、フロントに、直径312ミリのブレンボ製ベンチレーティッドディスク+ブレンボ製4ポットキャリパー、リアには、直径300ミリのブレンボ製ソリッドディスク+TRW製シングルピストンキャリパーが組み合わされる。 拡大
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フツーじゃないフツーのクルマ

目の覚めるようなグリーンのボディは、グリル内のF1ウイング風スプリッター、ルーバーまで開けたワイドフェンダー、リアディフューザーなど、スーパースポーツ顔負けのディテールが挑戦的。他のホットハッチが一気に色褪せてしまいそうだ。ところがキャビンは、ステアリングのセンターマークとタコメーターのイエロー以外はモノトーンで、クオリティともどもおとなっぽい。

右ハンドルのポジションは違和感なし。ペダル間の段差は左より少なく、より理想的に思えた。それにしてもこのシート、ほんとにスポーツモデル用なのだろうか。完璧なサポートを提供しつつ、座面の厚みはスタンダードのルーテシアを凌ぐほど。歴代RS同様、座り心地でも合格点がつけられる。

そのシートに座り、走り始めた瞬間に思ったのは、いい意味でフツーのクルマというものだった。フランスより流れが遅い日本の道でさえ、乗り心地がすばらしく上質だ。街なかを流していてもサスペンションが自在にストロークし、ショックを丸め込んでしまう。そして速度を上げれば、磐石のフラットライドを届けてくれる。2000rpm以下からでも不満なく加速するエンジンの柔軟性もありがたかった。でも前が開いたところでアクセルを踏み込むと、ルーテシアRSは本性を露にした。

インパネで目を引く、黄色いパネルのタコメーターは、同車専用。ステアリングホイールには、ホイールセンターを示すイエローセンターステッチが施される。
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ルノー・ルーテシア ルノースポール(FF/6MT)【試乗速報】の画像 拡大

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自在に向きを変えられる

自然吸気ならではの抜けのいいサウンドを響かせながら、1240kgのボディをぐんぐん加速させていく。おまけに5000rpmあたりで吹け上がりが鋭くなり、ローギアではその瞬間ホイールスピンを起こすというドラマまで秘めている。上も7500rpmからのレッドゾーンに簡単に飛び込んでしまうので、レブリミットを知らせるアラームとインジケーターに何度もお世話になってしまった。

その勢いのまま箱根の山道でペースを上げたら、雨中の移動がほとんどだったフランスでは味わえなかった、真の魅力がじわじわ押し寄せてきた。
ステアリングはシャシーカップほどクイックではないけれど、正確にインに向いてくれるので不満はない。その後はペースを上げても操舵に対してきっちり反応し、アクセルを開けても外へふくらむことはなく、旋回を続けたまま加速していく。前輪駆動なのに、踏んだまま曲がっていけるのである。

「メガーヌRS」ではターボの爆発力を押さえ込むために存在していたようなダブルアクスルサスペンションが、自然吸気エンジンとのコンビでその真価を発揮したような感じだ。しかも自在に動く足は圧倒的なロードホールディングを見せつけるのに、アクセル操作によっておだやかにスライドし、ドライバーの気持ちどおりに向きを変えてもくれる。

そのときはドライビングに夢中だったので考えもしなかったけれど、冷静になったいま思うのは、現時点でのホットハッチの頂点はこのクルマかもしれないということだ。それが300万円以下で買える。クリスマスプレゼントにしては、ちょっと早すぎじゃないだろうか。

(文=森口将之/写真=郡大二郎)

森口 将之

森口 将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。

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