第34回:シトロエン好きならおいで! シャンゼリゼ・ショールーム限定グッズ続々登場
2008.03.29 マッキナ あらモーダ!第34回:シトロエン好きならおいで!シャンゼリゼ・ショールーム限定グッズ続々登場
そそられるショップ
パリ・シャンゼリゼ通りのシトロエン・ショールームが「C42」として昨2007年9月に生まれ変わったことは既報のとおり。その後のショールームには、グッズショップが開設され、次第に充実している。
コーナーは1階奥にあり、シトロエンおよび「C42」関連グッズが取り揃えられている。
お客さんより妙に店員さんのほうが多いのはなぜ? とか、グランドオープンのときに一緒に始めればよかったのに? という疑問も沸くが、まあそこはフランス流ということで許そう。
販売されているアイテムは、洗練されたデザインのものが多い。ここでしか買えない「C42」グッズも多数で、なかには同館を設計した女性建築家マヌエル・ゴートラン監修のものもある。
真正シトロエニストの好奇心をそそるものも多数取り揃えられている。
ミニカーも各種ある。主要モデルのみでカルト車種はなく、また円換算すると決して安くないが、いずれもエンスージアストを満足させるレベルだ。価格はシルバーに塗られた「BX」前期型で29ユーロである。
いっぽう壁面のショーケース内に目を移せば、新婚カップルと一緒の「トラクシォン・アヴァン」が飾られていたりする。人形は非売品だろうが、フランスの田舎の結婚式で今も時折見られる、人々の心のツボを突いた粋な演出である。
なお数は少ないものの、書籍も売られている。
何も買わなくても
節約派には、絵はがき1ユーロという手もある。それでも巷の土産物店でエッフェル塔型瓶入りワインを買うより、センスのよい記念品になることは間違いない。
何も買うものが見つからなくても、上階にエレベーターで登ってファサード側に立つとセーヌ右岸8区の風景が見渡せる。知られざる新しいパリ展望スポットである。
ショールームにしては夜遅くまで開いているから、待ち合わせにもよい。
もちろん夜景をバックに「これ、キミに買っといた」と、シトロエン車柄のシルク製スカーフを彼女にプレゼントするのもいいが、粋とみられるかわりに単なるオタクとみられるリスク認識も必要であろう。
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6歳児になりたい
パリのシトロエン本社広報スタッフによれば、商品の選択や企画は業務委託している広告代理店によるものという。シトロエンのブランドイメージに相応しく、ファンを満足させるアイテムを今後も取り揃えてゆくのは、それなりのプレッシャーかもしれない。
なお筆者のいちおしC42限定グッズは、欧州におけるシトロエンのエントリーカー「C1」の形に圧縮されたTシャツである。水に浸すと一瞬で広がる、従来から旅行用タオルなどで使われてきたネタの応用だが、モチーフが日本未発売車なのがいい。なによりコンパクトなので嵩張らない。価格も14.5ユーロである。
ところがよく見たら、「6歳児用」と書いてある。なんだよーと思わず泣けてきた。
ボクなど西洋人男性からすると小柄なので一瞬「いけるか?」と頭をよぎるが、強引に着て破ってしまったら情けない。まあ、他のデザインの“非圧縮型”であれば大人用もあるので、どうぞ皆さんもご無理をなさらぬように。
(文と写真=大矢アキオ Akio Lorenzo OYA)
「C42 Citroen」
42 Avenue des Champs-Elysees. Paris
地下鉄1号線 Franklin D. Roosvelt下車
日〜水 10-22時
木〜土 10-23時(6−9月は深夜24時まで)

大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
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