第932回:参加者9000人! レトロ自転車イベントが教えてくれるもの
2025.10.16 マッキナ あらモーダ!9000人の“英雄”集う
2025年10月4日と5日、筆者が住むシエナ県で、レトロ自転車の走行会「Eroica(エロイカ)」が催された。一般参加者が古い自転車で走る企画だ。
Eroicaとは「英雄的な」を意味するイタリア語で、46kmから209kmまで、5つのコースが設けられている。最大の特徴は未舗装路区間、つまり砂利道の多さだ。
28回目を迎えた今年は、51の国と地域から参加した9000人ものサイクリストが、ワインで有名なキャンティ地方のコースを中心に楽しんだ。このイベントについては当連載第522回・第778回でも記したので、そちらも参照されたい。
2025年度の参加可能車両は1987年製まで。つまり最低でも車齢38年のものでないといけない。例年どおりドレスコードもある。今日普及している化学繊維のウエアを目立つかたちで着用するのは禁止されている。代わりに推奨されているのは、昔の自転車選手が着ていたようなウール製だ。靴や帽子など、小物も可能な限りビンテージ調がすすめられている。安全上ヘルメットのみは現代のものがすすめられているが、多くの参加者は上からキャップをかぶり、トータルな雰囲気を大切にしている。
ロードバイクに乗った方ならおわかりと思うが、タイヤは空気圧不足が起きやすい。砂利道はチューブがリムに当たる衝撃「リム打ち」が舗装路よりも大きいから、結果としてバーストしやすい。
にもかかわらず、エロイカがいかに人気かを知るには、そのはじまりを説明するのがよい。イベントは1997年に、地元有志によりわずか92台で始まったもので、数百年と変わらない砂利道を走りながら、いにしえの自転車選手に思いをはせようという企画だった。レースではなくスタンプラリー形式がとられ、途中の村で地元ボランティアが開いている軽食屋台も楽しむ。
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