スバル・レガシィB4 tuned by STI(4WD/5AT)【ブリーフテスト】
スバル・レガシィB4 tuned by STI(4WD/5AT) 2008.01.16 試乗記 ……458万8500円総合評価……★★★★★
スペシャルパーツで内外を飾ったレガシィB4が、2007年8月に発売された。マニア垂涎、「tuned by STI」の魅力に迫る。
スポーツセダンのお手本
「4ドアセダンの形をしたスポーツカー」である。WRCをインプレッサに譲って高見の見物と、余裕で暮らせる立場を確保したせいか、サイズや重量のゆとりは快適性に活かされている感じがする。
その上でやはり血筋は争えず、一旦スポーティに走りたいという意思さえ表明すれば、即座に高性能ぶりを引き出せる。専用カラーはやや派手ではあるが、落ちついた4ドアセダンとして普段は日常生活を無難にこなし、一人になってドライビングを楽しみたい時には狼にも変身する、そんなスポーツセダンのお手本のようなクルマだ。
価格も400万円台と内容のわりには高額を出資する必要もなく、タフな造りは耐久性にも通じるから、長期の付き合いも予想されるところだ。ということはお買い得なクルマであるといえる。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「レガシィ」シリーズは、いわずとしれたスバルの基幹モデル。ワゴンボディの「ツーリングワゴン」と、セダン版たる「B4」、2つのボディ形状でラインナップする。
現行モデルは、2003年5月23日にフルモデルチェンジした4代目。3ナンバーサイズに拡大しながら、軽量化を果たしたボディがジマン。中低速トルクを向上させたエンジンや5AT、電制スロットルの採用も新しい。
エンジンはスバルお得意の水平対向ユニットで、2リッター4気筒がヘッドメカニズムの差異と過給器の有無により、SOHC16バルブ、DOHC16バルブ、インタークーラー付きターボの3種類。さらに、NAで3リッターの6気筒「3.0R」がラインナップする。駆動方式は、全車4WDだ。
(グレード概要)
特別仕様車「tuned by STI」は、2リッターツインターボの「2.0GT Spec.B」をベースに、専用パーツが奢られたモデル。
新開発のフレキシブルタワーバー、専用のビルシュタイン製ダンパー&STI製チューニングスプリングでシャシーをかため、18インチのポテンザRE050Aにブレンボ製ブレーキが与えられた。出力は、280ps/35.0kgm(AT車は260ps/35.0kgm)で、ベース車と共通だが、ECU、TCU(AT車)のプログラムを変更し、レスポンスと加速感を向上させたと謳われる。
STIロゴ入り260km/hスケールメーター、STI製の左右4本出しスポーツマフラー、エアロパーツ等、内外装も専用のパーツで飾られた。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
セダンの基本形を利用してスポーティな演出を図った例として、雰囲気は上々。メーターの赤丸のフチ取りや白文字、ブルーの情報表示などなかなか派手ではあるが、見やすい。260km/hまでの速度計もこのクルマの場合には説得力をもつ。中央の空調オーディオ関連の操作盤はやや煩雑な感じはあるが、目的に叶う。ATの変速パドルは固定式で好ましい。パワー特性のグラフ表示は理解しやすい。
(前席)……★★★★
シートの形状、サイズ、ホールド性、座り心地それぞれに優れる。ランバーサポートの調整はレバー式で簡単。表皮は滑りにくく、低反発のクッションも目的に合致。調整機構は電動で微調整も効くが、座面後傾角の調整もほしい。
現状でもさして不満はないが、ハードブレーキングなどを想定すると、もっと後傾斜を強めたくなる。ヘッドクリアランス、足元の余裕は十分だ。
(後席)……★★★
前席にくらべればロードノイズなど音の侵入はやや大きめながら、絶対的に静かで、快適な部類にはいる。ボディの姿勢は概ねフラットに保たれ、目地段差などでもきつい突き上げはナシ。総じて乗り心地は良好。スポーティなモデル特有の硬さはない。足元の広さやヘッドルームに余裕は少ないが、まず十分。寝そべらずに膝を曲げて座れる。ただし、外観から想像するほどの広々感はない。
(荷室)……★★★★
リッドを開けた瞬間パッと見て「広い」と感じる。フロア面積が大きくフラットなボードまでの底は浅いが、天地方向も十分で、自分の交換用タイヤ4本がすんなり運べそう。内装材は豪華ではないがキッチリ処理されており、サスペンションの張り出しも少なく、隅々まで使える。リッドは大きく開くから、使い勝手も良好。バンパーのラインから開くため、敷居には段差があり中の荷物は転げ落ちにくい。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
トルクあり、レスポンス良好。4000-5000rpm辺りの実用域での盛り上がりはパワー感覚として爽快。トップエンドまでスムーズに回るし、高回転を維持してもストレスなし。ATでもまず不自由なく過ごせる。
ATの変速モードもPやEの文字などよりグラフ表示が新鮮。パドルも固定式なので使いやすい。長さも十分。DのままでもMシフトが優先される設定は良い。本来はMTで乗りたいクルマゆえ、6MTも同価格で用意されている。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
動力性能の高性能ぶりから想像するよりは、はるかに洗練された乗り物だ。ゴツゴツした硬さとは無縁で姿勢変化は少ない。
ラフロードでも強行突破可能と思わせるが、伏兵はロードクリアランス。縁石の高さによってはチンスポが干渉するほど。ロール角もほどほどで横Gや操舵力との関係も良好。コーナーでのスロットルのオン/オフによる姿勢変化は少なくなった。それだけステア特性もニュートラルに近づけられた。
(写真=荒川正幸)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2007年10月8日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2007年型
テスト車の走行距離:4064km
タイヤ:(前)225/40R18(後)同じ(いずれも、ブリヂストン・ポテンザRE050A)
オプション装備:ビルトインHDDナビゲーションシステム+マッキントッシュサウンドシステム(45万1500円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(1):高速道路(7):山岳路(2)
テスト距離:290.6km
使用燃料:35.80リッター
参考燃費:8.12km/リッター

笹目 二朗
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