ベストセラー「ホンダ・フィット」、2代目にバトンタッチ
2007.10.18 自動車ニュースベストセラー「ホンダ・フィット」、2代目にバトンタッチ
本田技研工業は2007年10月18日、コンパクトカー「フィット」をフルモデルチェンジし、10月26日に発売すると発表した。
■直球勝負
2001年6月に初代が生まれてから、6年と4か月。「ホンダ・フィット」が満を持して、初のフルモデルチェンジをはたした。
内外装はもちろん、エンジンも完全新設計で、パワーアップ&燃費アップ。ユーティリティにはさらなる磨きをかけたという。
2002年、「トヨタ・カローラ」から年間販売台数トップの座を奪ったベストセラー。
今年7月には「マツダ・デミオ」が基本コンセプトごとフルモデルチェンジ、8月には「トヨタ・ヴィッツ」がマイナーチェンジを行った。ライバルたちに動きが見られるなか、迎撃する新型「フィット」の開発コンセプトは、「ド真ん中の直球勝負」。デザイン、使いやすさ、動力性能、経済性について、全方位的な正常進化を図ったという。
ラインナップは、従来どおりの1.3リッターと1.5リッターの2本立て。価格は、119万7000円(1.3リッター、FF)から178万5000円(1.5リッター、4WD)までとなっている。
月間の目標販売台数は、1万2000台だ。
■超前傾姿勢
いままで、115か国で累計200万台が売れたという「ホンダ・フィット」。重責をになう2代目は、初代のアピールポイント、すなわち、「センタータンクレイアウト」や「ウルトラシート」はそのままに、存在そのものを見直すところから開発されたという。
寸法は、全長×全幅×全高=3900×1695×1525mm。高さはそのまま、55mm長くなった。ホイールベースも同程度(50mm)延長され、2500mmに。さらに、トレッドも、フロント35mmリア30mmそれぞれ広げられ、乗員の肩や膝にはゆとりが増した。
そのいっぽうで、外観はシャープになった。Aピラーは先代に比べて120mm前方に移動(「超フォワードキャビン」)。ノーズからルーフへとつながるウェッジシェイプが強調された。
先代では、グレードによる外観上の違いはなかったが、今回は明らかな差別化が図られた。ベーシックグレード(1.3リッター)はシンプルに、上位グレード(1.5リッター)はエアロパーツなどで飾られ、スポーティな性格を視覚的にもアピールする。
■新エンジンでパワーアップ
パワーユニットは、完全新設計。1.3リッター(100ps/6000rpm、13.0kgm)と1.5リッター(120ps/6600rpm、14.8kgm/4800rpm)の「i-VTEC」ユニットが搭載された。
冷却効率やピストンヘッドの形状などを見直し、気筒あたりのバルブ数を2本から4本に増やした1.3リッターモデルで14ps、1.5リッターでも10ps、先代よりパワーアップした。
FFモデルに組み合わされるCVTも一新。各パーツの低フリクション化、ハイレシオ化などにより燃費向上に寄与。1.3リッター「G」では低回転時に吸気バルブの片方を休止させ、24.0km/リッターの10・15モード燃費を実現するなど、環境性能も両立した。
実用燃費でみれば、先代に比べて1.3リッターモデルで約9%、1.5リッターモデルで約6%の向上が見られたという。
足まわりは、フロントがマクファーソンストラットで、リアがトーションビーム式。サスセッティングは、排気量別に専用となる。
■あくなき「便利への道」
ユーティリティ性も声高にアピールされる。
先代のウリであった、多彩なアレンジが可能な「ウルトラシート」は、継承。ただし、「どんな機能も使えてナンボ」と、操作方法を簡略化することにこだわった。たとえば、リアシートのフルフラット動作は、ワンアクションで可能になった。
スペアタイヤを廃したおかげで、フロア下にも64リッターの空間を確保。フロアボード自体まで棚として使う貪欲さだ。なお、荷室総容量は、5名乗車時で約427リッター。ドリンクホルダーは10か所あり、ホンダ車中で最多である。
ほか、チルト&テレスコピック両方調節できるステアリング、従来から3倍広くなった三角窓など、運転に関わる部分にも配慮された。
(webCG 関)
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