最新ベントレーちょい乗りリポート 〜「コンチネンタルGT V8」試乗会から
2012.02.09 画像・写真2012年1月のデトロイトショーで初公開された「ベントレー・コンチネンタルGT V8」が、日本上陸。臨時の特設コースで開催された、ちょい乗り試乗会から、その特徴や印象を紹介する。(文=webCG 関顕也)
2012年1月。年明け直後のデトロイトショーで世界初公開されたばかりの「ベントレー・コンチネンタルGT V8」が、早くも日本上陸。そのパフォーマンスを確かめるプチ試乗会が、神奈川県の大磯町で開かれた。写真手前に見えるのがそのニューモデルで、奥に見えるホワイトの車両は、既存のW12エンジン搭載モデル「コンチネンタルGT」。
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2012年1月。年明け直後のデトロイトショーで世界初公開されたばかりの「ベントレー・コンチネンタルGT V8」が、早くも日本上陸。そのパフォーマンスを確かめるプチ試乗会が、神奈川県の大磯町で開かれた。写真手前に見えるのがそのニューモデルで、奥に見えるホワイトの車両は、既存のW12エンジン搭載モデル「コンチネンタルGT」。
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「コンチネンタルGT V8」のアップ。よく見比べると、バンパーの形状が「コンチネンタルGT」(W12モデル)とは異なる。フロントグリルのメッシュも、クロムに代えてグロスブラックのものになっている。
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「コンチネンタルGT V8」一番の見どころは、新開発の心臓部だ。ふたつのターボで過給される4リッターV8エンジンは、最高出力507ps/6000rpm、最大トルク67.3kgm/1700-5000rpmを発生。今回の試乗では確認できなかったものの、高速の巡航時などには8気筒の半分が休止、V4状態で燃費をかせぐ(可変シリンダーシステム)。燃費はW12モデル比40%増しと伝えられ、市街地で6.5km/リッター、高速道路で13.0km/リッター(ともにEUドライブサイクル)を記録する。
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こちらは「コンチネンタルGT」に搭載される自然吸気の6リッター12気筒エンジン。エンジンルームの風情もV8(前ページ)とはずいぶん異なる。ちょうどV6エンジンを横に並べたようなW型のシリンダー配列がとられるパワーユニットで、V12エンジンに比べて前後に短いのが特徴だ。アウトプットそのものは575ps/6000rpm、71.4kgm/1700rpmと、V8モデルを68psと4.1kgm上回る。
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「コンチネンタルGT V8」のマフラーエンド。横を向いた「8の字」型の輪郭は、V8モデルであることを示す意図的なデザイン処理である。楕円(だえん)形になるW12モデルとの識別ポイントでもある。
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V8モデルならではのエンブレム。どこがって? 「B」マークを取り巻く中心部のカラーが、他モデル(黒)とは異なる赤なのだ。
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ホイールのセンターも赤で統一される。ちなみにタイヤのサイズは275/40ZR20。オプションで、さらに大きな21インチも選べる。
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標準で4色のレザーが用意されるインテリア。もちろん、オーナーの好みに応じて、さらに多くのカスタマイズにも対応できる。
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豪勢なムードがただよう運転席まわり。トランスミッションはATのみ。「コンチネンタルGT V8」には、これまでの6段に代えて、新設計の8段ATが与えられた。この違いだけでも、燃費は6%向上しているという。8段ATと6段ATで、フィーリングに違いは? 「いずれもスムーズであり、残念ながら、チョイ乗りでは明確な違いがわからない」というのが、正直な感想。
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ステアリングホイールの奥には、8段ATをマニュアル操作するためのシフトパドルが備わる。さらにその奥に見えるスピードメーターは、340km/hスケール。公称されるV8のトップスピードは303km/hで、W12の318km/hよりやや控えめだ。とはいえ、どちらも非現実的な値であることには変わりない。
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走行前のコクピットドリルでのひとこま。「コンチネンタルGT V8」には、他の「コンチネンタル」ファミリー同様、サスペンションのセッティングを4段階に変えられるCDC(可変ダンピングコントロール)が与えられる。モニターの画像を見ながら「さて、どのモードでいきましょうか?」
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「コンチネンタルGT V8」で、いざ全開! 静止状態からは4.8秒で100km/hに達する。W12モデル(同4.6秒)に比べると0.2秒のビハインドだが、約2.3トンの車重を「軽い」と錯覚させるような加速感だ。新開発のV8は、普通に乗る分にはその存在を主張せず、驚くほど静か。ただし、ひとたびアクセルを踏み込めば、V8らしいビートを豪快に響かせる。出足の鋭さこそW12に分がある印象だが、サウンド等のキャラクターについては、むしろV8のほうを「コンチネンタルらしい」として好まれる向きもあるだろう。
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全開加速直後のフルブレーキ。大きなお尻を高々と上げてはいるものの、減速時の挙動は安定しており、見た目の派手さほどドライバーが怖いと感じることはない。写真はW12モデルの「コンチネンタルGT」。
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そのフルブレーキテストを横からみたところ。ギョッとするほど前のめりになってはいるが、アゴはすっていないのでご安心。「コンチネンタルGT V8」のほうが、W12よりもノーズダイブが軽度であるように思われたのは、フロントが25kg軽く仕上がっているせいかもしれない。
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この日は2種類のクーペに加えて、発表されたばかりの新型「コンチネンタルGTC」もテストに加えられた。写真の車両はW12エンジン搭載モデルだが、このGTCにもV8仕様が加わる。3台のお値段は、写真手前からそれぞれ2640万円(コンチネンタルGTC)、2415万円(コンチネンタルGT)、2166万円(コンチネンタルGT V8)。……なんと豪勢な。
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加速・減速のテストに続いて、スラロームのテストも行われた。写真はオプションの21インチホイールを履く「コンチネンタルGT」。全長×全幅×全高=4806×1944×1404mmの巨体が、迫力のコーナリングを見せる。
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ハイスピードからの急ハンドルで車体の安定性を試す「ダブルレーンチェンジ」の様子。各車、右に左にステアリングを切るたびESP(車両安定化装置)が働き、安定した姿勢を保とうとする。写真は、「コンチネンタルGT」(W12モデル)が、まさに右へとかじを切ろうとするところ。
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こちらは、「コンチネンタルGT V8」のダブルレーンチェンジ。今回ラインナップに加わったV8モデルには、W12モデルのものから進化した、新世代のESPが採用されている。「具体的には、システムの介入がよりきめ細かになっています」という関係者の解説を聞くまでもなく、急ハンドル時の車体の振れは、明らかに、格段に小さく感じられる。写真では伝えにくいが、はた目にも姿勢変化は小さくなっている。
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そんな最新のESPがあっても、機能をオフにすればこのとおり。運転の仕方次第では、写真のような状況におちいってしまう。日常の悪天候などを思うと、W12モデルでもESPのアップグレードは必須じゃないだろうか、としみじみ。
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「ベントレー・コンチネンタルGT V8」の価格は、W12エンジンを積む「コンチネンタルGT」の2415万円より249万円安い、2166万円。受注はすでに始まっており、デリバリーの開始は、2012年秋が予定されている。