「シトロエンDS 60周年ミーティング」の会場から
2015.05.01 画像・写真2015年4月26日、静岡県掛川市のヤマハリゾートつま恋で「シトロエンDS 60周年ミーティング」が開かれた。1955年のパリサロンで「DS」が衝撃的なデビューを飾ってから、今年でちょうど60年。それを記念してオーナー有志が企画したのがこのミーティングで、当日は27台のDSシリーズが集まった。また今年は、DSからちょうど半世紀後の2005年に登場した「C6」の生誕10周年にもあたる。こちらも同時に祝うべく呼びかけたところ、同じく27台が参加。当日参加可能のため、同数になったのは偶然である。さらにそれら兄弟たちのアニバーサリーを祝おうと、古くは誕生を戦前にまでさかのぼる「11CV」から現行の「DS3」までの新旧シトロエンも集結。好天に恵まれた会場は、主役のDS、C6を含め100台以上の歴代モデルが集う「春のシトロエン祭り」となったのだった。(文と写真=沼田 亨)

ズラリと並んだ「DS」シリーズ。最終的に27台を数えた。
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ズラリと並んだ「DS」シリーズ。最終的に27台を数えた。
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参加した「DS」シリーズでもっとも古かった1958年「ID19」。IDとはDSの廉価版で、ハイドロニューマティックサスペンションは備わるが、ステアリング、ブレーキやギアシフトはコンベンショナルなシステムとなり、エンジンのチューンも控えめだった。
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後方から眺めた「ID19」。基本的にDSと姿は同じだが、ホイールキャップが省かれるなど簡素化されている。
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「ID19」のインパネ。これぞモダンリビングという感じだが、同時代(初期型)の「DS」はさらに洗練されたデザインだった。
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「DS23パラス インジェクション」。1972年に登場した、2.3リッターまで拡大された直4エンジンにインジェクションを備えたDSシリーズの最終発展型。なお、パラスとは豪華仕様を意味する。
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形といい色といい、大きなアマガエルのような「DS」。オーナーの好みで北米仕様のウインカーを装着するなど、顔つきがアレンジされている。
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「DSブレーク」。前後ベンチシートに横向きのサードシートを備えた8人乗りのワゴン。
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1967年に実施されたマイナーチェンジ以前(写真左)と以降(同右)の「DS」が並んでいた。マイナーチェンジ以降の4灯式では、外側2灯はサスペンションに連動して常に水平な光軸を保ち、内側2灯はステアリングに連動して進行方向を照射する。
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1955年「11CV」。戦前の34年に登場した通称「トラクシオン アヴァン」(前輪駆動)の最終型。55年に「DS」が誕生した後も、驚くなかれ廉価版の「ID」が加わる57年まで作り続けられた。
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「DS」の市場を受け継ぐフルサイズのシトロエンとして1974年に登場した「CX」。スタイリングはさかのぼること4年、70年に誕生した「GS」の延長線上にある。
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4台参加した「SM」。1970年に登場した一種のスーパーカーともいうべきモデルで、当時シトロエンが傘下に収めていたマセラティが開発した2.7リッター(後に3リッター)V6 DOHCエンジンを搭載。
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数台参加した「2CV」のなかで、もっとも古い個体。リアクオーターにウィンドウがなかった、1961年から65年までのモデル。
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「2CV」と「DS」の間の広大なギャップを埋めるべく、2CVをベースに1961年に登場した「アミ6」。いささか奇怪と思えるほど個性的なスタイリングを手がけたのは、2CVやDSと同じく社内デザイナーだったフラミニオ・ベルトーニ。
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大胆なクリフカットのルーフをはじめ、「アミ6」は後ろ姿も超個性的だ。
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1970年に誕生し、その年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した「GS」。ハイドロニューマティック・サスペンションを大衆化したモデルで、エンジンは空冷フラット4。
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今のところ最後のフルサイズシトロエン、最後のフランス製高級サルーンとなってしまっている「C6」。こちらも最終的に参加27台を数えた。
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正規輸入されなかった3リッターV6ディーゼルターボ(HDi)搭載の「C6」。
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半世紀を隔てて誕生したフラッグシップ同士である「DS」と「C6」がお見合い。
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ミーティングは午後4時の閉会時間を前に流れ解散。帰路につく「C6」。
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同じく帰路につく「DS19」。ツヤが失われたボディーが、宇宙船っぽいフォルムを一段と強調している。
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インポーターのプジョー・シトロエン・ジャポンがイベントを後援。最新モデルの展示のほか、試乗も実施した。
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現行モデルも来場した。最も多かったのは「DS3」。
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正式導入前の「C4カクタス」。並行輸入された個体が2台、姿を見せた。
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当日参加OK、午前8時の受け付け開始以降は好きな時間に来て、出入りも自由というレイドバックしたイベントで、唯一のアトラクションだったジャンケン大会。シトロエン関連グッズが数多く用意されていた。
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汗ばむほどの陽気に恵まれた会場風景。