自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2015」の会場から
2015.05.22 画像・写真2015年5月20日~22日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、恒例となっている日本最大の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2015」が開かれた。自動車メーカーをはじめ、部品メーカー、材料メーカー、計測・解析機器メーカーなどが最新の自動車技術を展示するこの技術展も、今回で24回目。出展社数はここ数年、毎回過去最多を更新しているが、今回も昨年比プラス47社の538社を数えた。会場を埋め尽くした環境関連技術を中心とする展示の中から、リポーターの目に留まったものをピックアップして紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

パシフィコ横浜展示ホールの会場風景。
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パシフィコ横浜展示ホールの会場風景。
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トヨタのブースに展示されていた燃料電池車「ミライ」のカットモデル。
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ホンダの新型「ステップワゴン」や「ジェイドRS」に搭載されている1.5リッターVTEC直4ターボエンジン。
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空冷式燃料電池システムを搭載したスクーター「スズキFCバーグマン」。四輪と違って、二輪は実証実験に協力してくれるところが少ないのがネックという。
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ヤマハのロードスポーツバイクのフラッグシップ「YZF-R1」の2015年モデルに採用された、アルミ製燃料タンク(写真右)。重量は2.1kgで、2014年モデルのスチール製(左)より1.7kg軽い。このほか2015年モデルはホイールの材質をアルミからマグネシウムに、エンジンのコンロッドをスチール製からチタン製に変更、トータルで7kgの軽量化を果たしたという。
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世間一般では電動工具などで知られるリョービは、実は自動車用アルミダイカスト部品のトップメーカー。これは世界中のメーカーに供給している同社のパーツを集めたディスプレイ。
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リョービの展示物から例を挙げると、「ホンダS660」用のサブフレーム、「シトロエンC4」のエンジンブロック、「シボレー・コルベット」のフロアトンネルなど。
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「素材は従来のままで軽量化を目指す」というドイツのサプライヤー、ムベアの展示より。左のコイルスプリングは現行「フォルクスワーゲン・ゴルフ」のフロント用で重量1516g。右のコンセプトモデルは線径は細いが同等の剛性と耐久性を備え、重量は1318gという。
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ドイツのエリコンメテコが展示していた、シリンダー内壁にプラズマ溶射した「ポルシェ918スパイダー」用のエンジンブロック。シリンダーライナーが不要のため、ブロックの軽量化や冷却性能の向上に貢献する。
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多数展示されていたドライビングシミュレーター。これは鷺宮製作所のブースで、ディスプレイに映し出されているのはニュルブルクリンクのコース。シミュレーターすべてにいえることだが、継ぎ目のないワイドな曲面スクリーンの登場は望みえないものなのだろうか?
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イギリスのインテリジェント・エナジーが出展していた燃料電池パワーユニット。出力は100kW(136ps)とのことだが、高性能V8エンジン風のルックスはシャレが効いている。
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ターボチャージャーのトップメーカーのひとつである三菱重工が出展していた「ホンダS660」用の超小型ターボチャージャー。
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ベアリングのトップメーカーであるNTNが参考出品していた次世代高効率固定式等速ジョイント。世界最高水準の伝達効率で低燃費化に貢献するという。
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無塗装化により、はがれなどがなく耐久性が向上、環境性能にも優れ、コストも低減するという“原着成形”に関する出展も多く見かけた。これは内装部品のサプライヤーである河西工業のブースにあった、高輝度メタリック原着樹脂成形パーツ。
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内装部品やフィルター類を主力製品とするトヨタ紡織が展示していたシート。左は「レクサスRC F」用で、右は「BMW i8」用。i8用はポーランドにある同社の子会社で組み立てているという。
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ライトのトップメーカーである小糸製作所が出展していた、レーザーとOLED(有機発光ダイオード)を使った次世代ヘッドライト。「LEDライトのクルマにすら乗らないうちに……」と思ったが、担当者によれば「あくまでコンセプトの提案段階です」とのこと。
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同じく小糸製作所のレーザーとOLEDを使った次世代リアコンビネーションライト。
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クルマではないが、気になった出展物であるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の電動航空機。モーターの最高出力は60kW(82ps)で、有人飛行による実証試験で最大17分間飛んだという。
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デンソーが出展していたスマートフォン対応ワイヤレスリモコン「くるくるピ」。Bluetoothで接続し、ステアリングホイールを握った親指だけで、対応アプリの操作が可能。
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周辺道路にて最新技術搭載車の試乗も行われた。車種は写真の「マツダ・ロードスター」をはじめ「トヨタ・ミライ」「ホンダS660」「スズキ・アルト ターボRS」など10車種11台。