「マロニエ・オートストーリー “春”ミーティング 2018」の会場から
2018.05.02 画像・写真2018年4月29日、栃木県鹿沼市の出会いの森総合公園およびその周辺で、恒例となった「マロニエ・オートストーリー “春”ミーティング 2018」が開かれた。これは全長60kmほどのコースをツーリングした後にそろってランチを楽しむというもので、毎年春と秋に開催されている。走行イベントではあるが、参加車両にはカーナンバー(ゼッケン)もなければ、チェックポイントもタイム計測もなし。出会いの森総合公園 オートキャンプ場のバーベキュー広場に集まった参加車両は、好きな順番にスタート。新緑がまぶしいワインディングロード主体のコースをのんびりとドライブし、鹿沼市内の古峯神社でのコーヒーブレイクを挟んで昼過ぎに集合地点に戻る。そこでバーベキューを味わいつつ仲間と交歓した後に流れ解散となるという、いい意味でユルいイベントである。参加資格は原則として1984年までに生産された車両だが、主催者が認めた場合はそれ以降のモデルの出走も許されている。今回の参加車両はおよそ90台だったが、その中からリポーターの目を引いた車両を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/30ペースカーの役割も担って最初にスタートしたのは、参加車両中最長老モデルである1928年「リー・フランシス」。2018年4月に『webCG』で紹介した、東京・日本橋で開かれた「ジャパン・クラシック・オートモービル 2018」にも参加していたが、オーナーはまだ20代。
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2/30先頭を除きスタート順は任意。1967年「トヨタ2000GT」に1970年「ポルシェ911T」、1963年「アルファ・ロメオ・ジュリア スパイダー」などが続く。
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3/301969年「ダットサン・サニー1000 4ドアデラックス」。新車以来の「足立5」ナンバー付きだが、オーナーはまだ未成年。外装は傷みが目立つものの、中身はすべて自分で修理・整備したという。
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4/30これも2018年4月8日に開催された「ジャパン・クラシック・オートモービル 2018」に参加していた1968年「マセラティ・メキシコ」。4.2リッターV8 DOHCエンジンを搭載する。
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5/30往年のフランス車特有の、イエローバルブのヘッドライトをともして行く1978年「シトロエンGS 1220パラス」。
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6/301980年「プジョー504D」。プジョーのアイデンティティーともいえるツリ目のヘッドライトを採用した最初のモデル。正規輸入車の多くがディーゼルエンジン仕様だった。
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7/30前後バンパーを外し、ロールバーを取り付け、ドアにはカーナンバーが記されるなど、レーシングライクないでたちの1965年「トライアンフTR4A」。
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8/30型式名S30こと初代「日産フェアレディZ」。オーバーフェンダーにGノーズと呼ばれるノーズコーンを装着した「240ZG」風に装っている。
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9/301960年「モーリス・ミニ マイナー」。Mk1と呼ばれる中でも初期のミニ。
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10/30イギリスではFlog Eye(カエルの目)、アメリカではBug Eye(虫の目)、そして日本ではカニ目と俗称される1959年「オースチン・ヒーレー・スプライトMk1」。
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11/301965年「メルセデス・ベンツ300SEL」。海外でFintail、日本では羽根ベンと俗称されるテールフィン付きの世代の、3リッター直6 SOHCエンジンを積み、エアサスペンションを備えた最高級モデル(W112)。
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12/301974年「シトロエンSM」。当時シトロエン傘下にあったマセラティが開発した2.7リッターV6 DOHCエンジンを搭載、FF市販車で初めて最高速度200km/hを突破した異色のグランツーリズモ。
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13/301978年「フェラーリ308GT4」。フェラーリの量産モデルとしては唯一ベルトーネ(当時のチーフデザイナーはマルチェロ・ガンディーニ)がスタイリングを手がけた、フェラーリ初のV8エンジン搭載車。
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14/30コースにあるトンネルから出てきた、1967年(Sr3、写真前)と1964年(Sr1、同後ろ)の「ロータス・エラン」。後ろのSr1は固定式ヘッドライトのタイプ26Rこと「ロータス・レーシングエラン」風にモディファイされている。
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15/301975年「A110」、1990年「A610」という2台のアルピーヌに「ジャガーEタイプ ロードスター」が続く。
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16/30「神5」(神戸ではなく神奈川)のシングルナンバーを持つ1959年「ボルボPV544」。クラシックな姿に似合わぬタフで高性能なスポーツサルーンで、生産最終年度となる1965年のサファリラリーで総合優勝している。
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17/301969年「MGB」。1963年の第1回日本グランプリからレースに参戦、日産・トヨタ双方のワークスチームに所属経験のある元レーシングドライバーにして、現役の自動車評論家である津々見友彦氏がコ・ドライバーを務めていた。
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18/301949年「フィアット・シギノルフィ1100」。実用車である「フィアット1100」のコンポーネンツを流用した、俗に“虫”と呼ばれるイタリアン軽スポーツのひとつ。
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19/301970年「アルファ・ロメオ・ジュニア ザガート1300」。初代「ジュリア」系のシャシーにザガート・デザインのハッチバッククーペボディーを架装。スタイリングは後の「ホンダCR-X」などに影響を与えた。
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20/301975年「マセラティ・カムシン」。ベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニの手になるボディーのフロントに4.9リッターV8 DOHCエンジンを搭載した、初代「ギブリ」の後継モデル。ブレーキ、クラッチ、ステアリングなどに、当時マセラティの親会社だったシトロエン特許のハイドロリックシステムを採用していた。
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21/301968年「ジャガーEタイプ ロードスター」。ガラス製のヘッドライトカバーがなくなった、シリーズ1-1/2と呼ばれるモデル。
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22/30通称タイプ3をベースにした1968年「フォルクスワーゲン・カルマンギア1600」に、レーシング風の「アルファ・ロメオ・ジュリア スプリント」が続く。
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23/30ランデブー走行する新旧「フィアット500」。前が1959年の“ヌオーバ500”(新500)こと2代目で、後ろが現行モデル。こうして見ると、親子ぐらい大きさが違う。
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24/30毎回参加している、軽登録された1999年「フィアット126」。2代目「フィアット500」のアップデート版として1972年にデビュー、本国では1985年に生産終了したが、ポーランド工場では2000年まで造られた。
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25/30新車以来の「品5」ナンバーを付けた1963年「ハンバー・セプター」。日本でもいすゞでライセンス生産されていた「ヒルマン・ミンクス」の従姉妹(いとこ)とでもいうべき、スポーティーな英国製サルーン。
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26/301967年「ローバー2000SC」。「レンジローバー/ランドローバー」に今も名を残すローバーが、かつて製造していた高品質な中型サルーン。
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27/301952年「ランチア・アルデア」(写真左)と1953年「ランチア・アッピア」(同右)。Bピラーのない観音開きドアを備えたボディーにV4エンジンを積んだ、上質な小型ベルリーナ。年式は1年違いだが、戦前生まれのアルデアの最終型と、その後継モデルとなるアッピアの最初期型が並んでいるのだ。
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28/30右から1973年「ホンダZ」、1975年「アルピーヌA110」、そして1973年「ジャガーEタイプ Sr3」。サイズも生産国も異なる3台が仲良く並んだ、ある意味このイベントを象徴するカット。
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29/301987年「シトロエンCXアンビュランス」。CXをストレッチしたキャンパー仕様かと思いきや、アンビュランス(救急車)だったというモデル。全長は5.5mに達する。
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30/30好天に恵まれた、緑豊かな出会いの森総合公園 オートキャンプ場のバーベキュー広場に集まった参加車両。