スズキ・ジムニー『動く茶室』(Kiwakoto CRAFT-CAR)
2021.05.08 画像・写真放送作家・脚本家である小山薫堂氏の要望を受け、Kiwakoto(キワコト)が京都の工芸職人とともにつくり上げた「スズキ・ジムニー」のビスポークカー。“動く茶室”となったジムニーの姿を、匠(たくみ)の技がやどるディテールとともに紹介する。
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1/33キワコトが手がけた「スズキ・ジムニー」のビスポークカー。外観はほぼノーマルのままだ。
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2/33テールゲートを開けるとご覧の通り。運転席・助手席から後ろは、茶室を模した空間となっている。
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3/33当初はこの空間で、お茶をたてることも想定していたそうだが、さすがに高さが足りないことから断念したという。
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4/33“茶室部”の床面。どう見ても畳だが、実は和紙でできている。
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5/33フロアボードを通常の畳としなかったのは、車内にい草の匂いが充満するのを避けるため。自動車の内装ならではの工夫だ。
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スズキ ジムニー の中古車
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6/33フロアボードの下は収納スペースとなっている。
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7/33テールゲートの内側には、床の間に見立てたという格納式の棚が設けられている。
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8/33テールゲートの棚には、錺金具(かざりかなぐ)のちょうつがいや留め具が用いられている。
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9/33錺金具(かざりかなぐ)の留め具。
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10/33錺金具(かざりかなぐ)には、いずれも表面に漆を施している。
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11/33床の間に見立てたテールゲートの棚。花などを飾る場所として好適だ。
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12/33茶室空間の左右には、京北の杉であつらえた棚を設置。
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13/33棚は「ジムニー」の内壁にぴっちり収まるよう設計されている。
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14/33こちらは左側壁の棚。
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15/33背板の一部に隙間が空いているのは、荷室に設けられていたアクセサリー電源を生かすためだ。
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16/33薬箱を思わせる懐かしい引き出しは、黒い取っ手も木製だ。
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17/33棚はいずれも、木と木をさし合わせる「指物(さしもの)」という技法でつくられている。
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18/33組み立てには、木くぎとボンドと米(!)を使用。長く使えるよう、分解修理や修復が可能となっている。
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19/33前席と茶室空間を仕切る、障子のパーティション。
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20/33パーティションには雪見障子の構造から着想を得たという可動構造が備わっており、走行時には後方視界を遮らないよう、上部をしまうことができる。
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21/33パーティションの上部を格納し、テールゲートの棚をたたんだ状態。
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22/33天井を見上げると、ルーフライニングには金糸を織り込んだ西陣織が用いられている。
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23/33柔らかな風合いのルーフライニング。過度にきらびやかにならないよう、あえて金糸が目立たない面を表にしているのだ。
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24/33天井を助手席側から見上げたところ。西陣織は、天井の全面に用いられている。
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25/33全面的につくり変えられた車両後部の空間に対し、運転席・助手席まわりの変更点は少ない。シートやダッシュボード、ドアトリムはいずれもノーマルだ。
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26/33シフトレバーには銀の高蒔絵(たかまきえ)が施されており、経年による風合いの変化も楽しめる。
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27/33「ジムニー」のビスポークカーに合わせて製作されたテーブルセット。
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28/33テーブルセットは組み立て式で、使用しないときは「ジムニー」の茶室スペースにきっちりと収納できる。
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29/33床下収納の左右や背面に配された木板。最終的には現物合わせで調整されたというだけに、車体側とのフィッティングに隙がない。
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30/33茶室部のフロアと、テールゲート開口部の隙間を埋める木板は、開口部の形状に合わせて左右の角が湾曲している。
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31/33車内に飾られていた茶わん。キワコトは今回の「ジムニー」に見られるようなクルマのオーダーメイドサービスと並んで、伝統工芸品の企画製造販売も行っている。
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32/33ビスポークカーの茶室部。ここまでの施工をお願いするのは簡単ではないだろうが、自分のクルマにワンポイントでも伝統工芸の“あつらえ”を取り入れると、愛着がぐっと増すに違いない。
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33/33キワコトが手がけた「スズキ・ジムニー」のビスポークカー。