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1/251958年に誕生した「スバル360」。1950年代生まれの日本車のなかで、動力性能、居住性、乗り心地などすべてにおいて国際水準に達し、部分的には超えていた唯一のモデルであり、日本が世界に誇れる名車。
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2/25「マツダ・キャロル」。総アルミ製の水冷4ストローク直列4気筒OHVヘミヘッドという高度な設計のエンジンをリアに積んだ高級軽乗用車。1962年に2ドアのみでデビュー、翌1963年には1960年代の軽では唯一となる4ドア(写真)も追加され、一時はスバルに次ぐセールスを記録した。
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3/251962年「スズライト・フロンテTLA」。商用バンのリアエンドに短いノッチを持つトランクルームを設けて乗用車化。空冷2ストローク並列2気筒エンジンで前輪を駆動するFF車の先駆けだった。
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4/251966年「ダイハツ・フェロー」。日本初採用となる角形ヘッドライトを備えた、“プリズムカット”と称するスクエアなスリーボックスボディーに水冷2ストローク直列2気筒エンジンを搭載し、後輪を駆動する。水冷エンジンによるヒーターの効きのよさも特徴だった。
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5/25デビュー当初は“世界をめざす国民車”とうたっていた1967年「ホンダN360」。31万3000円という低価格(狭山工場渡し)ながらヒーター、ウィンドウウオッシャー(手動)などを標準装備したモノグレードだった。
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6/25俗に“N I(エヌワン)”と呼ばれる、1967年3月に発売された初期型「N360」。当初の純正色は写真の「ライトスカーレット」と「アイボリーホワイト」という赤白2色だったが、赤を大々的に使ったのは軽では初めてだった。
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7/25モーターサイクル用そのままと言っても過言ではない「N360」の354cc空冷4ストローク並列2気筒SOHCエンジン。最高出力31PS/8500rpm、最大トルク3.0kgf・m/5500rpmを発生した。
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8/25スペース効率の高さをアピールした広告。FF方式によるフラットフロア、曲面ガラスの採用によるショルダールームのゆとりといった居住空間に加え、広いトランクルームや豊富な物入れなども特徴だった。
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9/251967年秋の発行とおぼしき、「N360」用ドレスアップパーツとそれらをフル装備したデモカーを紹介するレーシングメイトのパンフレット。ブラックアウトしたフロントグリルはメーカーに先行していた。
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10/251968年1月に発売された「ホンダN360 Sタイプ」。外装はスポーツミラー、フォグランプ、エアアウトレットカバー、黒タイヤ+専用ホイールキャップ(写真のものは市販車とは若干異なる)などでドレスアップ。
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11/251968年6月に発売された「ダイハツ・フェローSS」。黒基調にアクセントで赤を差したフロントグリルやホイールなどで外装を差別化。ボディーサイドとルーフの派手な“SS”のレタリング/ストライプはデモカー(メディア向け試乗車)用の特別仕様。
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12/25「N360」をツインキャブなどで36PSにチューンした「T(ツーリング)シリーズ」は1968年10月に追加されたが、これは翌1969年1月にマイナーチェンジされた通称“N II(エヌツー)”の「N360 Tデラックス」。Tシリーズのフロントグリルは黒塗りのメッシュとなった。
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13/251968年11月に発売された「スズキ・フロンテSS」。リアに積んだ空冷2ストローク3気筒エンジンと軽快なハンドリングがもたらす走りによって軽スポーツのなかでも人気が高く、ジムカーナなどでも活躍した。サイドストライプはオプション。
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14/25浜松のスズキ本社に近接するミュージアムであるスズキ歴史館に展示されている、スターリング・モスが駆った「フロンテSS360」。ちなみにイエローのフロンテSSも伴走し、そちらはマン島TTで勝った唯一の日本人であるスズキのワークスライダーの伊藤光夫がドライブした。
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15/251968年11月に登場した「スバル・ヤングSS」。ボディーは車高が下げられ、黒塗りのルーフ、パイプ製バンパー、ボンネットのストライプと“SS”レタリング、そしてヘッドライトカバーなどでスポーティーに装っている。
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16/25「ヤングS/ヤングSS」のカタログより。右写真の背景の建物は高級マンションのはしりだった原宿・表参道のコープ・オリンピア。1960~1970年代のカタログや広告撮影のロケ地として、表参道や神宮外苑(がいえん)のいちょう並木は定番だった。
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17/251969年8月に登場した「スバルR-2デラックス」。基本レイアウトは「360」から踏襲するが設計は一新された。「フィアット600」にも通じる愛らしいスタイリングを持つが、若者指向の時流に合わせてキャッチフレーズはいささか不似合いな「ハードミニ」だった。
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18/251970年4月に加えられた「スバルR-2 SS」。砲弾型ミラー、専用ホイールキャップ、フォグランプ、ノーズフィンなどで装ったボディー、標準でラジアルタイヤを履く固められたシャシーに旧「ヤングSS」と同じく36PSにチューンされた空冷2ストローク並列2気筒エンジンを積む。
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19/251969年7月にフルモデルチェンジされ、テールゲートを備えた軽初のハッチバックとなった「三菱ミニカ'70」。エンジンは従来どおり2ストローク直列2気筒で、下級~中級グレードには空冷(26PS)、上級グレードには水冷(28PS)ユニットが積まれた。
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20/251969年12月に追加された「ミニカ'70 GSS」。駆動方式はFRだが、いわゆるホットハッチの先駆けともいえるモデル。どこかで見覚えのある赤で縁取りされたフロントグリルも、元祖ホットハッチと言われる初代「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」よりこちらのほうが先だったのである。
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21/251970年7月に発売された「フェローMAX SS」。砲弾型ミラー、ホイールに専用ホイールキャップ、エアアウトレットカバー、サイドストライプといったおなじみのアイテムで外装をドレスアップし、室内にはタコメーターや3本スポークのステアリングホイールなどを備える。
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22/25ツインキャブ、11.0の高圧縮比などでサブロク軽最強の40PSを発生する「フェローMAX SS/S」用の356cc水冷2ストローク直列2気筒エンジン。ハイチューンユニットらしくタコメーターは3000rpm以下がイエローゾーンだったが、これはMAX SSに限ったことではなかった。
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23/251971年3月にマイナーチェンジを受けた「フェローMAX SS」。ストライプ、ホイールキャップなど、より派手なデザインとなった。
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24/251970年「ヤマハ・スポーツRX350」。世界グランプリやデイトナ200マイルでも活躍した市販ロードレーサー「TR3」のベースにもなったマシン。優れたハンドリングと動力性能、美しいカラーリングで人気を博した。
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25/251970年10月に登場した、「N360」をベースとするスペシャルティーカーの「ホンダZ」。翌1971年1月に加えられたトップグレードの「GS」は軽初となる5段MTや前輪ディスクブレーキを備えており、軽のバトルが新たなステージに突入していった。

沼田 亨
1958年、東京生まれ。大学卒業後勤め人になるも10年ほどで辞め、食いっぱぐれていたときに知人の紹介で自動車専門誌に寄稿するようになり、以後ライターを名乗って業界の片隅に寄生。ただし新車関係の仕事はほとんどなく、もっぱら旧車イベントのリポートなどを担当。
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