激変する日本の自動車関連税制! 実際のところ私たちにどんな影響があるの?
2026.01.09 デイリーコラム安くなるのもあるいっぽうで……
あけましておめでとうございます。2026年は、自動車関連の税金が安くなりますね! クルマ好きには間違いなく朗報。具体的には次のようになります。
【安くなる その①】
ガソリン税の暫定税率が、2025年末をもって廃止されました。1リッターあたり25.1円の軽減です。軽油引取税も2026年4月1日から廃止され、1リッターあたり17.1円安くなります。金額にすると、1万km走行あたり1万5000円くらいでしょうか。ヤッタ~。
【安くなる その②】
自動車税の環境性能割が、2026年3月末をもって廃止されます。環境性能割ってのは、従来の自動車取得税に替わって導入された税で、環境性能に応じて自動車取得金額の0%から3%を購入時に収めるものでした。この税の廃止により、燃費の悪い純ガソリン車(税率3%)の新車を中心に、購入時の税負担が軽くなります。地方税収は年2000億円くらい減りますが、それは国が補塡(ほてん)します。ちなみにこの環境性能割、電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は最初から非課税。燃費のいいハイブリッドカーは0~1%です。
【逆に高くなるかも その①】
エコカー減税はいつものパターンどおり、近いうちに基準が厳格化されそうですが、これまたいつものパターンどおり、クルマの燃費が向上していくことで、増税からは逃げ切れそうです。
【逆に高くなるかも その②】
2028年5月以降、BEVやPHEVに対して重量税の「特例加算」が導入され、課税が強化されそうです。
その他、自動車税の抜本見直しも行われる予定ですが、中身がどうなるかはわかりません。
ざっとこんな感じですが、こうしてみると、省エネに逆行する施策がずらり! さすが総理大臣が「トヨタ・スープラ(70)」のオーナーだけのことはある。
こんなオイシイ減税策が次々と決まってるのは変だ、いずれ倍返しで増税されるに決まってる、という陰謀論もありますが、少なくとも高市総理にそのつもりはないでしょう。
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実は軽かった日本の税負担
私は以前からちょこちょこ書いているのですが、日本の自動車ユーザーの税負担は、国際的にみると決して高くありません。さすがにアメリカよりは高いけど、先進国のなかでは、アメリカに次いで安かった。
最大の要因は、燃料税が安いことです。本則に加えて暫定税率までふんだくりやがってフザケンナ! と言われておりましたが、それを含めても、ヨーロッパに比べると税率は半分くらい。おかげであっちはリッター300円くらいする。アメリカは飛び抜けて激安だけど、なにせ世界最大の産油国だし、反エコの旗手ですから。消費税も、日本は10%だけどヨーロッパは20%前後。この差はクルマ購入時にもドカンと効きます。
いっぽう、日本が高かったのは自動車税などの保有税で、これに関しては欧米の数倍から数十倍。あと、税金じゃないけど高速料金ですね。日本自動車工業会やJAFは、この点を突いて「日本の自動車ユーザーの税負担は猛烈に高い」と宣伝し続けていましたが、高い部分だけをクローズアップし、安い部分に触れないのはフェアじゃない。軽自動車に関しては保有税もそんなに高くないので、軽だけ乗ってりゃ日本は、アメリカに迫るくらい税負担が軽い。これは自動車業界関係者にとって、触れられたくない不都合な真実でした。
仮に「エコ」が正義だとするならば、保有税を安くして燃料税を高くするのが正しいはず。ところが今回は燃料税を下げ、購入時の税負担も、燃費の悪いクルマに恩恵が大きいかたちでの改定となりますので、エコには見事に逆行します。といっても、これで燃費の悪いガソリン車がバカバカ売れるようになることはないだろう。そういうクルマでは、ちょこっと税金を安くしたって焼け石に水。一般ユーザーはフツーに低燃費車を買う。つまり大勢に影響はないということです。
正直なところ、何がしたいのかいまいちわからないというのが正直な印象ですが、一番トクするのが燃費の悪い趣味車を買うクルマ好きってことは間違いなさそう。カーマニア諸君、チャンスだ! オレたちこんなに甘やかされていいのかな?
(文=清水草一/写真=トヨタ自動車、webCG/編集=堀田剛資)
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清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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