三菱、エコと新興市場への対応をアピール
2011.12.03 国産車■三菱、エコと新興市場への対応をアピール
電気自動車の開発で先行する三菱は、第42回東京モーターショーで、住居やカフェにEVを組み込むライフスタイルを提案する一方、世界戦略車の「ミラージュ」やプラグインハイブリッドの「三菱コンセプトPX-MiEV II」を出展して、より広いニーズへの対応をアピールした。
■「MiEVハウス」と「MiEVカフェ」
三菱を代表するエコカーといえば「i-MiEV」。2011年11月には「MINICAB-MiEV」を追加し、EVのラインアップを拡大している。そんな三菱ブースの一郭には、昨今のエネルギー不安を解消するとともに、不安定な自然エネルギーを安定的に利用できるよう、EVの駆動用バッテリーを蓄電池として利用する「MiEVハウス」が設けられた。また、EVの電力を家電に供給する給電装置を「MiEVカフェ」で利用。三菱は2012年3月までに、この給電システムを実用化する考えだ。
他の自動車メーカーとは一風変わった三菱のブースだが、もちろん自動車メーカーらしいワールドプレミアも用意されている。益子 修社長が「三菱自動車は、新興国と環境対応をキーワードとした中期経営計画を本年(2011年)初めに発表しました。今回の東京モーターショーでは、このふたつのキーワードを具現する2台のクルマを紹介します」と披露したのが、新コンパクトカーの「ミラージュ」と、プラグインハイブリッドの「三菱コンセプトPX-MiEV II」だ。
■具体的なコンセプトモデルも提案
ミラージュは、「小型」「低価格」「低燃費」がコンセプトのコンパクトカーで、新興国ではエントリーカーとして、また、日本などの成熟市場では低燃費の環境対応車としてアピールしたい考えだ。日本では2012年夏の発売を目指しており、1リッター3気筒エンジンとアイドリングストップ機構などにより、30km/リッターの達成を目指す。
また、2020年に走行時のCO2排出量を2005年度の50%に削減する「環境ビジョン2020」を実現するため、低燃費技術を積極的に投入しようという三菱は、中長距離移動時の燃費向上を狙う環境対応車として、「コンセプトPX-MiEV II」を開発している。
普段はEVとして50km以上の航続距離を誇る一方、バッテリーの残量が低下したときにはエンジンが発電機を回して電力を供給する「シリーズハイブリッド」に、高速走行時などにはエンジンをモーターでアシストする「パラレルハイブリッド」になる「三菱プラグインハイブリッドシステム」が低燃費を可能にするという。
前後ふたつのモーターで駆動する「ツインモーター4WD」は、「パジェロ」の4WD技術と「ランサーエボリューション」で培った車両安定技術「S-AWC」が生かされている。複合燃料消費率60km/リッター以上、航続距離800km以上を目標とするとともに、このシステムを具体化した車両を2012年中に投入するという。どんなクルマに仕上がるのか、いまから楽しみだ。
(文=生方聡)
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