第4回:8月4日「カルディナを通関する」
2007.05.03 「ユーラシア電送日記」再録第4回:8月4日「カルディナを通関する」
『10年10万キロストーリー4』刊行記念!
ウラジオストクからポルトガルはロカ岬を目指す。ロシアに上陸して、まず初めの関門は、1996年型「トヨタ・カルディナCZ」の通関……。
通関事務所にて
RUS号から下ろされ、保税倉庫に保管されているカルディナを通関させなければならない。これについては、あまり心配していなかった。東京から、旅行業者を介して“通関ブローカー”なる人物に、通関がスムーズに行えるように仕事として助力を依頼しておいたからだ。
朝、オフィスでこちらのパスポート、国際運転免許証、カルディナの国際登録証などの書類を確認し、クルマで通関事務所へ。港から少し離れた辺りだが、なにぶん、昨日来たばかりなので土地勘が生まれない。事務所は、練馬の陸運事務所と同じように、いかにもクルマ屋といった風体の男たちで一杯だった。髪を短く刈り上げ、トレーニングウエアの上下か、派手なスーツ。手には携帯電話と、B5版ぐらいの微妙な大きさの革製ブリーフケースと、ファッションもどこか共通するものがある。
ブローカーのユーリは慣れた手つきで、手続きをテキパキと進めていく。122ルーブル(約488円)の税金を支払い、通関証明書と登録証明書を1通ずつ作成し、今度はそれを持って港へ。金網の向こうに陸揚げされたカルディナが見える。
手渡しで2000ルーブル
脇の事務所に入り、ユーリと旧知のモジャモジャヒゲの役人に、その場で2000ルーブル支払うように言われる。「ハハン、これがワイロか」。
東京の旅行業者からあらかじめ、「通関の順番を早め、スムーズにカルディナを出すために担当係官に賄賂を渡す必要があります」と言われていた。それが証拠に、カウンターでもない、普通の廊下で手渡しで2000ルーブル渡した。係官とユーリは、悪代官と三河屋のように、ホンの一瞬ニヤッと笑って、固い握手を交わした。日本では立派な収賄罪だが、日本から同行してもらったボランティアの通訳イーゴリさんによれば、ロシアでは公務員が賄賂を受け取ることを咎める気風が希薄なのだという。彼の友人の税関職員も、それで家を建てたそうだ。
ユーリに支払った手数料プラス送迎料の「300米ドル」(約3万 6000円)と「2000+122ルーブル」(8488円)がカルディナの通関にかかった費用だ。様々な情報のなかには、「クルマの通関は、2日待たされる」とかいうものもあったが、僕らは8月4日、月曜日の正午過ぎには再びカルディナのハンドルを握ることができた。
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一行の紹介
さて、大陸横断の本格スタートを前に、一行3人のプロフィールを紹介します。
・イーゴリ・チルコフさん:ボランティアでこの旅の同行通訳を引き受けてくれた、東京外語大のロシア人留学生。彼にとって、この旅は「クラスノヤルスク」への帰郷を兼ねており、今年5月に、奥さんとの間に生まれたビクトリアちゃんとの、初対面が待っている。
・田丸瑞穂さん:雑誌や広告で活躍するカメラマン。三児の父であると同時に、日本や海外の山々に挑むアルピニストでもある。
・金子浩久:モータリングライター。旅先で誰も待っていないし、ロシアで通用するような特技もなし。同行してくれたふたりが極真空手道場に通っていることを知り、安心し切っている。
(文=金子浩久/写真=田丸瑞穂/2003年8月初出)

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最終回:「エピローグ」(後編) 2007.7.29 トヨタ「カルディナ」でユーラシア横断を終えたジャーナリストの金子浩久。東京で旅行を振り返る。 海外での日本人職員の対応や、ロシアの現状について考える。
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第41回:「エピローグ」(前編) 2007.7.28 トヨタ「カルディナ」で、ユーラシア横断を終えたジャーナリストの金子浩久。ようやく東京に戻り、長かった旅行を振り返る。前編では、参加メンバーのその後の様子を報告。
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第39回:9月11日「ユーロトンネル」(前編) 2007.7.22 ウラジオストクからロカ岬まで。「トヨタ・カルディナ」で、ついにユーラシア横断を果たした金子浩久。カメラマンと別れ、友人の待つロンドンまでパリ経由で向かう。「ユーラシア電送日記」のエピローグをおくります。
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