シボレー・コルベットC6【海外試乗記(前編)】
The Best Corvette Ever(前編) 2004.09.28 試乗記 シボレー・コルベットC6 1953年にデビューした、アメリカを代表する伝統的なスポーツカー「シボレー・コルベット」が、第6世代目に突入した。2004年年初のデトロイトショーでお披露目された新型に、『webCG』の大川悠がアメリカで乗った。革新と伝統
「C6」、これは「コルベット」の6代目を意味する。
戦後アメリカでは初めての2シーター・リアルスポーツカーとしてコルベットが生まれたのは1953年。そしてそれから半世紀以上を経たいま、6世代目に発展した。51年間で6世代目だから、やはり乗用車より、各モデルの息は長い。
63年に2代目のいわゆる「スティングレイ」となり、横置きリーフのサスペンションを備えた3代目は68〜83年と長生きする。
そして84年、いまに繋がる基本デザインが確立され、97年の「C5」を経て、2004年にC6へと発展した。最新型のクーペの登場は2004年1月のデトロイトショー、コンバーチブルは3月のジュネーブショーで、アメリカでは年内から、日本を含む海外市場では2005年から販売が開始される。
C6を手がけたのは、ゼネラルモーターズ(GM)で高性能車部門のトップとなっているデイブ・ヒル。「キャデラックXLR」の責任者であった彼は、先代C5にもタッチしている。したがって新コルベットは、先代の流れを受け継ぎつつも、7年前の反省とこの間の技術の進歩をフルに活かすとともに、XLRとの性格の違いもより明瞭に組み込んで設計された。
プラットフォームはXLRと似ている。ハイドロフォームの主構造と樹脂製フロア、そして軽合金のバルクヘッド、コクピットから成る一種のバックボーンの上に樹脂の外皮を被せた成り立ち。ただし、サスペンションは伝統の前後横置きリーフの独立である。
剛性高くコンパクトに
C6のボディで注目されるのは2点。コンパクトで軽量化を図ったことに加え、大幅な剛性向上に成功したことである。
しかも、世界中のクルマがどんどん大型化するなかで、新型コルベットは小さくなった。ホイールベースこそやや延びたが、全長は12.7cm短く、幅も2.54cm狭くなった。それでいて、2座のキャビンスペースや荷室はやや広がっているし、前後オーバーハングが切りつめられたために、イナーシャマスは小さくなって、よりハンドリングはシャープになったという。
デザイン面で誰もが気がつくのは、フロントのヘッドランプが2世代以降40年も続いた格納式から、表面に出た露出式になったこと。格納式に固執したのは、低いノーズを保ちつつも必要な光量を確保したかったからだが、HIDが実用化されたことにより、低いボンネットの面に合わせた露出式でも、充分に明るくすることができたために、踏み切ったのだという。
これの狙いはスタイリングのためだけではない。フロントスペースと、重量を減らしたかったからだともいう。実際、格納式の場合必要だったモーターやリンクがなくなったため、フロントは軽くなったし、オーバーハングを短くすることが可能になり、これがコンパクトネスとハンドリングに大きく貢献したと、デイブ・ヒルは胸を張る。(後編につづく)
(文=webCG大川悠/写真=日本ゼネラルモーターズ/2004年9月)
シボレー・コルベットC6【海外試乗記(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015765.html

大川 悠
1944年生まれ。自動車専門誌『CAR GRAPHIC』編集部に在籍後、自動車専門誌『NAVI』を編集長として創刊。『webCG』の立ち上げにも関わった。現在は隠居生活の傍ら、クルマや建築、都市、デザインなどの雑文書きを楽しんでいる。
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.9.1 2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。
-
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD)【試乗記】 2026.8.31 フルモデルチェンジした「アウディQ3スポーツバック」に試乗。プラットフォームやパワートレインこそ従来型の改良版ではあるものの、内外装のデザインやインフォテインメント、効率性のすべてにおいて大幅な進化を遂げたという。その仕上がりやいかに。
-
トヨタbZ4XツーリングZ(4WD)【試乗記】 2026.8.29 「トヨタbZ4X」にワゴンのようなロングボディーを持つ「ツーリング」が登場。ただ長くなっただけではなく、今回試した4WDモデルではパワーもアップ。乗り味にも微妙な影響を及ぼしているから見逃せない。経路充電を試しつつ、370km余りをドライブした。
-
BMW 120オリジナル(FF/7AT)【試乗記】 2026.8.25 BMWの主要モデルに新グレードの「オリジナル」が設定された。位置づけとしては新たなエントリーグレードということになるが、BMWらしさを損なうことなく装備を厳選し、価格を抑えたのがポイントだという。「1シリーズ」の「120オリジナル」の仕上がりをリポートする。
-
トライアンフ・スラクストン400(6MT)【レビュー】 2026.8.25 カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。
-
NEW
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く
2026.9.3デイリーコラム本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。 -
NEW
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(後編)
2026.9.3あの多田哲哉の自動車放談ワインディングロードで新型「BMW iX3」のステアリングを握った多田哲哉さんは、その走りに感心した様子。どんなところが優れているのか、トヨタのエンジニアの視点で語ってもらおう。 -
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。





























