マツダに救世主登場!「CX-7」が北米SUVの台風の目に
2006.12.13 自動車ニュースマツダに救世主登場!「CX-7」が北米SUVの台風の目に
マツダの2006年11月期の北米市場の総販売台数は2万792台、前年同月比で16.7%アップした。しかし、車種別で見ると、主力「マツダ3」(アクセラ)と「マツダ6」(アテンザ)が伸び悩み、同時にマツダらしさの象徴である「MX5」(ロードスター)と「RX-8」は大きく落ち込んでいる。
そうした状況を救っているのが、新たに発売されたクロスオーバーSUV「CX-7」なのだ。
■価格帯のスポットにハマった
「マツダCX-7」は、今年夏に発売されて以来、販売台数を着実に伸ばしており、2006年11月期の北米売り上げは3654台を記録したそうだ。
その成功の最大の要因は「価格」。MSRP(Manufacture's Suggested Retail Price:メーカー希望小売価格)は、2万3750ドル(FF車ナビなし)から、という設定である。
CX-7はプレミアムコンパクトSUVというカテゴリーに分類されており、「アキュラRDX」「BMW X3」などをライバルとする。
しかしライバルたちとの価格差は実質1万ドル(約115万円)と大きい。また、“普通の”コンパクトSUVである「ホンダCR-V」「トヨタRAV4」(北米には2.4リッター直4に加え、3.5リッターV6仕様もあり)とも価格差は少ない。
つまりCX-7は、SUV市場での価格帯のスポットに、まんまとハマッテしまったのだ。
■ちょっと大きめのコンパクトSUVが人気
もちろん「ただ安いから売れる」のではない。2.3リッターDISI(直噴)ターボと6ATによる爽快な加速感。フロントは「MPV」(日本仕様)、そしてリアは「プレマシー」から移植したという高剛性プラットフォームがもたらすキレのいい走り。さらにはロードスターから移植したステアリングホイールなどが演出するスポーティなインテリア……などなど。
CX-7には「ほかのSUVとの違い」が明確に表現されている。それでいて価格がリーズナブルなのだから、売れるのは当然だ。
アメリカではガソリン高の傾向は一服しているものの、「いつまたガソリンが急騰するかもわからない……」と、フルサイズSUVからのダウンサイジングの流れはとどまるところをしらない。
その流れはミドサイズSUVを通りこえて、コンパクトSUVに到達。それに合わせるかのように、各メーカーが「ちょっと大きめのコンパクトSUV」「ゴージャスなコンパクトSUV」を続々と投入しているのだ。
フォルクスワーゲンは2リッターTDIターボ搭載の「ティグラン」を、日産はミニ「ムラーノ」級の新型SUVを、それぞれ2007年デトロイトショーでデビューさせる予定である。
台風の目、マツダCX-7が誘導するプレミアムコンパクトSUV界、2007年も市場はさらに拡大していくことは間違いない。
(文=桃田健史(IPN))
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