クライスラーPTクルーザー・クラシック(4AT)【試乗記】
『スーパーで見かけたお相撲さん』 2000.12.22 試乗記 クライスラーPTクルーザー・クラシック 「ちょい乗り」試乗報告快適性と操縦性
奇をてらった外観なれど、フタ(ドア)を開ければごくまっとう。フォルクスワーゲン・ゴルフやトヨタ・カローラと同じように使える、実用的な5ドアのFFハッチバック。
ただし、当然ながら最大のウリはデザイン。「レトロ」と解釈されがちだが、クライスラーの狙いは違う。欧州でウケている「ハーレーダビッドソン」的なアメリカンテイストを4輪で再現した、ある意味での世界戦略車。
2リッター直列4気筒DOHCユニット(141ps、19.2kgm)は、低速からトルクたっぷり。4ATとのマッチングも良好。ストップ&ゴーの連続も苦にならない。
残念なのは4000rpm以上でややラフな回転マナー。ユルユル回る、北米仕様2.4リッター直4のほうが気分かも。
プラットフォームはネオンと共用。日本仕様の足回りは、欧州仕様と同じ硬めの設定。リアからの突き上げがやや気になるものの、高速道路や山岳路でのスタビリティはしっかり確保。でも快適性と操縦性、このクルマだったらどっちが優先? アメリカで乗った、フワンフワンの北米仕様が私は好き。
アメリカではセカンドカー
内装の樹脂類は質感低し。ただし、気の利いた演出で安っぽさは帳消し。メーター周囲にはボディカラーと同色のパネルがあしらわれ、クルーザーの名にふさわしく、ステアリングホイールは船舶の舵を模したもの。
居住性はバツグン。1600mmという背の高さが奏功し、大人4人の移動も楽チン。65:35の分割可倒式リアシートの使い勝手も良好だから、人でも荷物でも何でも来い!
パッと見ギョッとするが、つきあえばフツー。話しかけたら意外に気さくな、スーパーで見かけたお相撲さん。日本だったらこれ1台で何でもこなせる。ただしアメリカではセカンドカー。PT=パーソナルトランスポーテーション(個人輸送)、アメリカ人にはちょっとサイズが足りないらしい。
(文=NAVI編集部 佐藤健/2000年11月/写真=五條伴好)

サトータケシ
ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。
-
スズキ・エブリイJリミテッド(MR/CVT)【試乗記】 2025.10.18 「スズキ・エブリイ」にアウトドアテイストをグッと高めた特別仕様車「Jリミテッド」が登場。ボディーカラーとデカールで“フツーの軽バン”ではないことは伝わると思うが、果たしてその内部はどうなっているのだろうか。400km余りをドライブした印象をお届けする。
-
ホンダN-ONE e:L(FWD)【試乗記】 2025.10.17 「N-VAN e:」に続き登場したホンダのフル電動軽自動車「N-ONE e:」。ガソリン車の「N-ONE」をベースにしつつも電気自動車ならではのクリーンなイメージを強調した内外装や、ライバルをしのぐ295kmの一充電走行距離が特徴だ。その走りやいかに。
-
スバル・ソルテラET-HS プロトタイプ(4WD)/ソルテラET-SS プロトタイプ(FWD)【試乗記】 2025.10.15 スバルとトヨタの協業によって生まれた電気自動車「ソルテラ」と「bZ4X」が、デビューから3年を機に大幅改良。スバル版であるソルテラに試乗し、パワーにドライバビリティー、快適性……と、全方位的に進化したという走りを確かめた。
-
トヨタ・スープラRZ(FR/6MT)【試乗記】 2025.10.14 2019年の熱狂がつい先日のことのようだが、5代目「トヨタ・スープラ」が間もなく生産終了を迎える。寂しさはあるものの、最後の最後まできっちり改良の手を入れ、“完成形”に仕上げて送り出すのが今のトヨタらしいところだ。「RZ」の6段MTモデルを試す。
-
BMW R1300GS(6MT)/F900GS(6MT)【試乗記】 2025.10.13 BMWが擁するビッグオフローダー「R1300GS」と「F900GS」に、本領であるオフロードコースで試乗。豪快なジャンプを繰り返し、テールスライドで土ぼこりを巻き上げ、大型アドベンチャーバイクのパイオニアである、BMWの本気に感じ入った。
-
NEW
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
NEW
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
NEW
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。