「アイドリングストップでクルマに悪影響はあるのか?」

2006.09.16 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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「アイドリングストップでクルマに悪影響はあるのか?」

アイドリングストップについて質問です。信号待ちなど停止時にアイドリングストップを行うと燃費が向上するといわれていますが、通勤時などで頻繁に行うと、電気系統やそのほかの箇所に悪影響は出ないのでしょうか? 悪影響が少ないのであれば、実施しようと思っています。

お答えします。おっしゃるとおり、クルマが停止しているときにエンジンをストップさせることによって燃費は良くなるでしょう。

通常、アイドリング時にはスロットルバルブが閉じた状態になるため、アクセルを軽くあけた状態(走行時)に比べ、ピストン運動がしにくくなります。このエンジンの機械的な損失(ポンピング・ロス)が大きいと、燃費の悪化につながります。
さらにアイドリング状態では、燃料の濃さを理想的な燃焼時より薄い状態にすることができないため、これもまた燃費を悪くしているのです。

さて、アイドリングストップを行ったときの悪影響ですが、イグニッションのスイッチとキーの劣化が通常より早まるのは致し方ないでしょうね。クルマのなかで一番電気の消費が大きいスターターモーター関係も同様です。
また、必要以上にスターターを回せば、バッテリーや発電機に負担がかかります。

このような部品の負担なども考えると、過度なアイドリングストップはあまり効果的とは思えません。
普段走っている道であれば、時間のかかる踏切や信号待ちを把握していることと思いますので、長いアイドリング状態だと思うところで要所要所アイドリングストップするのはいかがでしょうか。クルマにも環境にも優しくできると思います。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。