アルファロメオ・アルファ156スポーツワゴンGTA(2ペダル6MT)【ブリーフテスト】
アルファロメオ・アルファ156スポーツワゴンGTA(2ペダル6MT) 2004.03.17 試乗記 …・…574.0万円 総合評価……★★★★★ アルファロメオのスタイリッシュルワゴンに、3.2リッターV6を積み、足まわりをチューンした「156スポーツワゴンGTA」。初の6段セレスピード搭載モデルを、自動車ジャーナリストの笹目二朗がテストした。
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速く快適で美しい
“スポーツワゴン”というのは、理想的なクルマの一形態かもしれない。一応ワゴンを名乗るだけに、“積めて速くて快適な乗り物”の要素をもち、道具として使えるからだ。しかし、その目的をすべてカバーするモデルはあっても、どこかピンとこないクルマが多い。やはり、スタイリングが重要なポイントとなるのだ。
となると、速く快適で美しく、しかも2シータースポーツより多少「積める」、「アルファ156スポーツワゴンGTA」のようなキャラクターこそ、ある程度特化したクルマとしての魅力がある。個人ではなく家族で使えるので言い訳もたつ。「いくらアルファが好きでもスポーツカーはダメ」と絶縁状を突きつけられていたオトーサンにも可能性がでてきた。2ペダル6段MT「セレスピード」はオートマチックモード付きだから、ママも運転できるし。「アモーレ・ミオ!」の世界は、陽気で明るい生活感に満ちあふれている。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「アルファ156セダン」から派生した、5ドアのスポーツワゴン。ワゴンといっても、荷室を広く採るステーションワゴンとは一線を画し、スタイリングとスポーティネスを優先した、ボディ後部を絞り込むデザインをもつ。活動的な雰囲気と、スポーティを体現したライフスタイルワゴンである。
ラインナップは、2リッター直4「ツインスパーク」+5段セレスピードを組み合わせた「2.0 セレスピード」と、2.5リッターV6+トルコン4AT「Q−システム」の「2.5 V6 Q-System」、さらに、3.2リッターV6+6段セレスピードを搭載する「GTA」の3種類。
(グレード概要)
「156スポーツワゴンGTA」は、3.2リッターV6を積む「GTA」シリーズの一員。日本では、「156GTA」や「147GTA」のトランスミッションは6段MTだが、スポーツワゴンGTAのみ、ATモード付きシーケンシャルトランスミッション「セレスピード」の6段仕様となる。前後サスペンションのジオメトリー変更や、ブレンボ製大型キャリパーを使ったブレーキなど、チューンの内容は他のGTAを踏襲する。
インテリアは、専用デザインのシフトゲートコンソールやアルミ削り出しABCペダル、バケットタイプのGTA専用フロントレザーシートを採用。インパネ中央には、デジタル表示式「マルチファンクションディスプレイ」が備わり、トリップコンピューターや警告灯、メンテナンスインジケーターなど、様々な情報を表示する。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★★
イタリア流GTらしく、立体的なデザインと凝った造形が独特の雰囲気を醸し出す。門外漢には、雑然とモノがあり過ぎるように感じるかもしれないが、深いひさしのなかにあるメーター類は読みやすいし、センターコンソールの3眼小メーターも独立していて判読に便利だ。エンジンの信頼性が増した現在では、さほどシビアな情報提供は必要とされないけれども、やはりGTAとしての雰囲気を盛り上げるには、この位のハデ目な演出の方が、対象ユーザーに歓迎される。
(前席)……★★★★★
シートは独特のデコボコした形状と処理による“見せ場”を心得てたつくり。イタリアンデザインが本当に優れているのは、見た目の派手さだけでなく、意外や実用性もよく考えられている点だ。座面とシートバックの横方向に刻まれた細かな筋道が、身体との間に適度な空間をつくりだし、夏場の通気性に優れるだけでなく、べたーっとした面接触ではなく線接触なので、衣類が皺になりにくい。もちろん、サイズや形状、各種調整機構などは用意万端。手抜かりはない。
(後席)……★★★★★
折り畳めるシートは、とかく座ることがおろそかにされがちだが、コレはセダンとなんら変わらないようだ。むしろ、セダンより後方空間の余裕があるぶん、ゆったりしているように感じる。波波の表面処理も汗をかきにくいし、座面は腰が前にズレにくく、膝までの高さも十分あって疲れない。前後長もたっぷりしているうえ、足先が前シート下に入るので広さもある。
(荷室)……★★
ボディ後部を絞りこんだスタイリッシュなデザイン処理から想像される通り、カーゴルームの容量はワゴンらしくない。床面積だけに注目すれば、セダンより狭いかもしれない。しかし、このクルマの真意は荷物を積むことではない。「いかに美しく見せるか」という、イタリア人のもう一方の欲求を満たすためのワゴン。それゆえ、これで一向に構わない。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
ややノイジーながら、「煽情的」と表する人もいるくらい、音質としては心地よいタイプ。もちろん、まわすこと自体が快感だ。全域においてパワフルで、トルク/レスポンスともに申し分ない。
シーケンシャルMT「セレスピード」は、「アルファ147」の5段から1段増えた6段ゆえ、ステップアップ比が小さく繋がりはスムーズ。ただ、ステアリングホイール裏に備わる「+」「−」のパドルスイッチは、固定式ではないのでコーナーで不便だった。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
硬められたGTA専用サスペンションにより、路面によってはゴツゴツするが、おおむねフラットでダンピングはよく、不快な感じは薄い。ハンドリングはシャープで、パワフルな動力性能とあいまってドライビング自体が楽しい。156セダンGTAより後輪の接地荷重が増したぶん、落ちついた挙動を示す。“ビジネス超特急”というより“快足宅急便”か。
(写真=峰昌宏)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2004年1月29日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:2794km
タイヤ:(前)225/45ZR17(後)同じ(いずれもピレリ PZERO ROSSO)
オプション装備:--
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離:417.2km
使用燃料:59リッター
参考燃費:7.0km/リッター

笹目 二朗
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