赤毛のアンと「ルート66」“米国31州 1万マイルの旅”(笹目二朗)(その6) 旅の終わりにも、いろいろあった
2006.04.15 From Our Staff赤毛のアンと「ルート66」“米国31州 1万マイルの旅”(笹目二朗)(その6) 旅の終わりにも、いろいろあった
1万マイル以上にもおよぶ旅も、もう終わり。予想外のモノに出くわすハプニングがあるも、ルート66の終点であるサンタモニカで夕日を眺めながら、次の旅に思いをはせる。
■真っ暗闇で「フリーズ!」
アリゾナは思ったほど砂漠状態ではなく、IS40周辺ではサボテンも多く見られなかった。カリフォルニアに近づくにつれ、残された旅をもっと引き延ばして楽しみたいような気持ちになる。観光地の大御所たるラスベガスには元より興味も無いので、その反対側の南に外れ、トウェンティナイン・パルムス経由でサン・ベルナルディーノに出るルートをとった。ここももちろんヒストリックロードの一部だ。
ところがR66のロードスタンプはあったものの、行けども行けども何も無い。そのうち暗くなって、反射するものが無いからヘッドライトを点けていても真っ暗闇。やがて三日月がでてきてそれも地平のかなたへと消えた。90km/h くらいで3時間ほど走って、遠くにボーッと明るい光のかたまりが見えてくる。やっと町に入れてやれやれとそこに近づいたら、小屋があって兵隊さんらしき人が立っていた。「なんか、ヘンだな?」とは思ったが、大きな交差点なのだろうと手を挙げて通過したら、大声で怒鳴る声が聞こえ、銃を構えた兵隊さんに止められ職務質問が始まった。なんと、軍隊のベースキャンプに侵入してしまったのだ……。R66の地図などを見せて誤解を解き、ホテルやコンビニを教えてもらって幕。射殺されなくて、良かった。
■旅の終わりは、旅の始まり
サン・ベルナルディーノの街を抜ければいよいよロサンゼルスだ。TVでも報道されていた山火事はまだ鎮火していないようで、周辺一帯は焼け焦げる臭いが漂い、けむりによるものか視界さえもボーッと霞んでいる。山の斜面には、風力発電のための風車が無数に林立している。これだけの規模は世界中でも珍しく、中国新僵のものよりも多いかもしれない。ロッキー山脈越えはそれほど自覚しないまま、アリゾナから緩く下降する感じで終点を迎える。やはりカリフォルニアの風は暖かい。
ルート66の終点、サンタモニカの海岸には夕方に着。砂浜に腰を下ろして海に沈む夕日を眺める。その先は日本だ。事故も無く無事に終わって良かった……と旅の反省をする時は、さあ次はどこへ行こうかと考える時でもある。
・旅の集計
PTクルーザーの総走行距離=1万791マイル=1万7363km
29日間の1日当たり平均走行距離=598.7km
消費燃料=1716.02リッター
平均燃費=10.1km/リッター
(文と写真=笹目二朗/2006年4月)
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