アルファ・スポーツワゴン2.5V6 24V Qシステム(4AT)/アウディA4アバント2.4クワトロ(4AT)【ライバル車はコレ】
スポーツワゴン、ライバル車対決 2000.08.07 試乗記 web CG人気企画「ライバル車はコレ」。自動車ジャーナリスト、河村康彦が、アウディA4アバント2.4クワトロのライバルとしての、アルファ・スポーツワゴン2.5V6Q-Systemを語る。アウディA4アバント2.4クワトロ(489.0万円)のライバルは?
自動車界の巨人、VWとの兄弟関係も踏まえ、ことあるごとに“プレミアム・メーカー”を主張するのがアウディ。アバントも、「より多くの荷物を積むため」というより、「より強くプレステージ性をアピールするため」に産み出されたもの。シリーズ中に、ヨーロッパでは人気のハッチバックボディを持たないため、ワゴンがその補填的役割を果す、という点でも、そっくりの事情をもつのが、アルファ・スポーツワゴン。エンジンは当然、V6ユニット同士の対決となる。
こんな車だ!アルファ・スポーツワゴン2.5V6Q-System(449.5万円)
A4アバントよりはるかにスポーティな装いに身をつつむアルファ・スポーツワゴン。走りも、やはりよりホット。A4の、「下からトルクが湧き出るエンジン」に対して、スポーツワゴンは、「回すほどに元気になる心臓」。「全天候で安心出来る落ち着いた動き」を特徴とするアバントの挙動に対し、「常にFFを意識させないシャープなハンドリング」を持ち味とするアルファ、と、両者の運動性能のキャラクターも、ベクトルをまるで異にする。
あらゆるシーンでの完璧な走りを指向するA4アバントは、フルタイム4WDシステム「クワトロ」を、5バルブDOHCエンジンに組み合わせる。一方、アルファは、トランスミッションに独自のロジックを展開する。トルコン式4段ATをベースとしながらも、操作系にMTばりのHパターンを設定。たとえば、そこで「2」を選択すると、レブリミットに達してもシフトアップは行わず、「4」のポジションを選ぶと、一旦停止の後でも、決してダウンシフトは行わない。あくまでドライバーの意志を尊重してくれるのだ。
ここまで徹底して考え方が異なるのは、実にユニーク。この両者、永遠に交わることのない、孤高の考えの持ち主同士ということだ。
(河村康彦)
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河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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