9月9日から、391.0万円と449.5万円
2000年3月に開催された第70回ジュネーブショーで姿を現わしたアルファ156のワゴン版、その名もアルファ・スポーツワゴンの日本販売が8月3日に発表された。発売時期は、残暑厳しかろう9月9日。
当初導入されるのは2グレード。2リッター「ツインスパーク」ユニット搭載の2.0TSセレスピードと、2.5リッターV6の2.5V6 24V Q-System。車名からわかるとおり、トランスミッションは、前者が、シフト操作だけで自動的にクラッチをつないでくれる5段シーケンシャルMT、後者がマニュアルモード付き4ATである。つまり、どちらも2ペダルモデルだ。
価格は、2.0TSセレスピードが391.0万円。2.5V6 24V Q-Systemが449.5万円。いずれも右ハンドル。2001年からマニュアルモデルを輸入することも、検討されているという。
「なによりもスポーティである」ために(プレス資料)、「セダンモデルから1mmとして伸びていない」スポーツワゴンの全長は、4430mm。1755mmの全幅と1415mmの全高、2595mmのホイールベースも、3ボックスモデルと変わらない。
リアのバルクヘッド(荷室との仕切り板)をもたないワゴンボディゆえ、フロアパネルに補強ビームを、ルーフ、ピラー部、リアダンパーマウントには補強材を追加。「実用性重視のステーションワゴンよりはるかにスポーティなセダンを連想させる」ボディ剛性を手に入れたという。重量増は、セレスピードで100kg、Qシステムで80kgに抑えられ、ウェイトはそれぞれ1400kgと1470kg。
2台のちょい乗り報告
わが国への本格投入に先立ち、8月2日、プレス向けの試乗会がハコネで開かれた。
まず、本革仕様が標準となる2.5V6 24V Q-Systemに乗る。シートは座面の前後長が長く、足が短いヒト(僕だ!)は、ちと哀しい。とはいえ、ステアリングホイールにチルト、テレスコピック機構が備わるので、好みのポジションを取ることはできる。
190ps/6300rpmの最高出力、22.6kgn/5000rpmの最大トルクを発生する2492ccフォーカムユニットは、「ロロロン!」と朗らかなエンジンで、レブリミットに当たっても勝手にシフトアップしないQ-Systemを使えば、フルスケール楽しむことができる。通常のD(ドライブポジション)の左側に、Hパターンのゲイトが切られ、シフターを動かすだけでギアチェンジが可能だ。
2.5リッター、2リッターモデルとも、リアサスペンションに、ニボマットと呼ばれるセルフレベリング機構付きダンパーが装着される。重い荷物を載せてもリアが下がらないというのがジマン。この日、ドライバーほか3人のスタッフという荷物を積んで走ったが、メリットのほどはよくわからなかった。
山岳路をすこし走ったかぎり、V6モデルはちょっと頭が重いかな、といった感じ。ステアリング操作に対するノーズの反応が遅く、スロットルペダルを抜いても、むやみに滑らない後足とあわせ、総じて落ち着いたドライビングフィールだ。
一方、ツインスパークは、ずっと軽快。155ps/6400rpmの最高出力、19.1kgm/3500rpmの最大トルクを発生する1970cc直4ユニットは明るく、フェラーリF1システムの流れをくむセレスピードは反応がいい。手前にシフトレバーを引いてギアを落とせば、「フォン!」とステキな中ぶかしを入れて、運転手を愉快な気持ちにさせる。ステアリングを切れば、サッと鼻先をコーナーに向け、ドライバーを喜ばせる。
「クーペのようなスタイリッシュなフォルムとステーションワゴンのゆとり」を融合させたというアルファ・スポーツワゴン。荷室容量は、360リットル。Cクラスステーションワゴンの465リットルはもとより、アウディA4アバントの440リットル、BMW3シリーズツーリングの435リットルよりも少ないけれど、まあ、いいじゃないですか、そんなこと。
(web CG アオキ)
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青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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