シボレー・カマロ Z28(4AT)【ブリーフテスト】
シボレー・カマロ Z28(4AT) 2001.07.31 試乗記 ……353.0万円 総合評価……★★★★■骨太の魅力
カマロには、V6エンジンのスポーツクーペと、V8を積む「Z28」がある。5.7リッターV8は、フロントアクスルより後方、エンジンルームとキャビンを分けるバルクヘッドにめり込まんばかりの位置に置かれ、長いエンジンフードの半分しか占めない。前半はクラッシャブルゾーンだ。
5m弱の全長と、ホイールベース2565mmは、フルサイズ・アメリカ車の堂々たる余裕の雰囲気を伝える。シビアで繊細な操作を要求するタイプではなく、ルーズに座って気儘にドライブできるおおらかさが信条だ。
しかし、決して遅れをとることなく、豪快な駿足ぶりも発揮する。(いまの基準での)“ビッグV8”は、アイドリング時にはドロドロとのどかに回っていても、一旦フルスロットルを与えると、強引ともいえる加速を見せる。独特の味がある。1560kgのボディ重量は、サイズを考えるとそれほど重くはないが、大きなマスが加速を開始する迫力は、小型スポーツカーでは得られないものだ。両手両足で操作する部分も、アシスト付きながら結構重い部類に入る。その男っぽい骨太な感覚がカマロの魅力だ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1993年に登場した4代目のアメリカンスペシャルティ、カマロ。2565mmのホイールベースこそ先代と同じものの、フロントサスペンションがマクファーソンストラットからダブルウィッシュボーン、ステアリング形式はボール循環式からラック&ピニオンとなった。デビュー当初のエンジンラインナップは、3.4リッターV6と、コーベットゆずりの5.7リッターV8。94年には、クーペボディのほか、コンバーチブルが加わった。V6は、3.8リッターに拡大。98年にフェイスリフトを受け、V8ユニットは、アイアンからアルミブロックとなった。
(グレード概要)
日本に入るのは、3.8リッターV6搭載の「スポーツクーペ」(299.0万円)、やはりV6の「スポーツコンバーチブル」(396.0万円)、そしてV8モデルの「Z28」(353.0万円)の3種類。いずれも、4段ATと組み合わされる。Z28は、革内装となり、タイヤもひとまわり太い。冷却水が足りなくなったときに、シリンダーを交互に休止させながらの走行を可能とする「リムホーム」機能を備える。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
立体的で表示も大きく、メーター類は視認しやすい。しかし「エンジン回転がどうとか、何km/h出ているとかはあまり問題にしたくない……」。そんな感じで、明るく陽気で独特な雰囲気を醸す。マニュアルなど読まなくとも、感覚で操作できてしまうのがアメリカンなのである。
(前席)……★★★
ルーズにでれっと腰かけても、どこかでちゃんとフィットしているし、特別に疲れることもない。そんな“容量の大きさ”が魅力。絶対的なサイズが大きいとか、形状的に優れているとか、詳細に観察してもそれほどとも思えないが、不満を抱かせないタイプだ。
(後席)……★
一応空間的なものは確保される。リアシートは、脱いだジャケットや、犬などのペットのための居場所だ。だから座り心地を云々すべきものでもないが、短時間の移動なら我慢できるし、チャイルドシートの置き場所としては適当なスペースだ。
(荷室)……★★
おおきなガラスハッチバックを開けると、意外や広い空間が出現する。リアアクスル上は大きなガソリンタンクが占拠するものの、その後ろには深くて広いゴルフバッグなどを積めるスペースがある。しかし開口部は高いところにあるから、重量物を載せるのには不便。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
低速で転がしていると、走行抵抗が大きく鈍重な感じがするも、一旦スロットルを開けると豪快で暴力的な加速が望める。この迫力はアメリカンV8に特有のものだ。ATは、シフターを操作してマニュアルシフトしても楽しいタイプではない。もっとも、その必要性を感じさせないのも事実。普段は「D」と「R」と「P」だけしか使わない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
Z28は、どちらかというと高性能なスポーツタイプであり、アメリカ車のフンワリとした乗り心地を期待するとちょっと違う。しかし硬めてはあっても、サイズと重量ゆえに、位置エネルギーの大きさが姿勢変化の少ないフラットさをつくりだしており、おおむね快適である。クイックなステアリングのギア比と豪快なパワーをもってすれば、ハンドリングも楽しめる。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者: 笹目二朗
テスト日: 2001年6月22日
テスト車の形態: 広報車
テスト車の年式: 2001年型
テスト車の走行距離: 3464km
タイヤ: (前)245/50ZR16/(後)同じ(いずれもGoodYear Eagle GS)
オプション装備: --
テスト形態: ロードインプレッション
走行状態: 市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離: 300.1km
使用燃料: 42.3リッター
参考燃費: 7.1km/リッター

笹目 二朗
-
スズキ・ジムニーシエラJC(4WD/4AT)【試乗記】 2026.7.3 俺の「ノマド」まだかな? とソワソワしている人が多いかもしれないが、実は既存の「ジムニー/ジムニー シエラ」もひっそりと進化を果たしている。とりわけ大きいのはアダプティブクルーズコントロール(ACC)の搭載だ。シエラの4段AT車でその仕上がりを試した。
-
スバル・レヴォーグ レイバック プレミアムブラックS:HEV EX プロトタイプ(4WD/CVT)【試乗記】 2026.7.2 スバルのクロスオーバーモデル「レヴォーグ レイバック」に、ハイブリッドユニットを搭載し、車高を20mm落とした「S:HEV」が登場。電動パワートレインと切り詰められた足まわりは、このクルマにどんな走りをもたらすのか? ワインディングロードで確かめた。
-
トヨタGRカローラRZ(4WD/8AT)【試乗記】 2026.7.1 GAZOO Racingの手になる「トヨタGRカローラ」が、一部改良でさらに進化。強化されたボディー剛性にサウンドコントロールシステムの追加など、従来モデルからの変更点をおさらいしつつ、硬派で辛口なその走りをリポートする。
-
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD/7AT)【試乗記】 2026.6.30 アウディのコンパクトSUV「Q3」がフルモデルチェンジ。新しくなったのはすっかり押し出しの強くなったフロントマスクだけでなく、内装もすべて新設計。インフォテインメントや灯火類などにも最新のシステムを採用した意欲作だ。「スポーツバック」の4WDモデルの仕上がりをリポートする。
-
マクラーレンW1(MR/8AT)【海外試乗記】 2026.6.29 マクラーレンが、かつての「F1」や「P1」に続く“究極のロードゴーイングカー”として開発した、超高性能モデル「W1」。そのドライブフィールはどのようなものか? イタリアで試乗した西川 淳がリポートする。
-
NEW
プジョー5008 GTハイブリッド アルカンターラパッケージ(後編)
2026.7.5思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「プジョー5008」に試乗。後編ではいよいよパワートレインとシャシーの仕上がりについて深く切り込む。雨のワインディングロードで5008は、レジェンドドライバーにどんな印象を残したのだろうか。 -
スズキ・ハスラー ハイブリッドX(FF/CVT)【試乗記】
2026.7.4試乗記スズキの軽クロスオーバーモデル「ハスラー」のマイナーチェンジモデルが登場。愛らしいフロントマスクにお化粧直しが施されたほか、先進運転支援装備が一段と充実。さらに走行性能の強化も図るなど、そのメニューは盛りだくさんだ。「ハイブリッドX」グレードのFFモデルに試乗した。 -
あの多田哲哉の自動車放談――ホンダN-ONE e:L編
2026.7.3webCG Moviesホンダの軽「N-BOX」を高く評価する、元トヨタのエンジニア、多田哲哉さん。では、軽EVの「ホンダN-ONE e:」は……? 試乗した印象を聞きました。 -
スズキ・ジムニーシエラJC(4WD/4AT)【試乗記】
2026.7.3試乗記俺の「ノマド」まだかな? とソワソワしている人が多いかもしれないが、実は既存の「ジムニー/ジムニー シエラ」もひっそりと進化を果たしている。とりわけ大きいのはアダプティブクルーズコントロール(ACC)の搭載だ。シエラの4段AT車でその仕上がりを試した。 -
あの『ナイトライダー』が現実に!? 開発が進む「パートナーのようなクルマ」の今を知る
2026.7.3デイリーコラム最新の「メルセデス・ベンツSクラス」には、クルマがパートナーのように寄り添うAI技術が盛り込まれているというのだが……その到達点は? 他メーカーの例も交え、先進技術が可能にするクルマの今と近未来を考える。 -
ハーレーダビッドソン・ナイトスター(6MT)
2026.7.3JAIA輸入二輪車試乗会2026ハーレーダビッドソンの水冷Vツインモデル「ナイトスター」に試乗。「X」シリーズのディスコンに空冷「スポーツスター」の復活と、さまざまな情報が飛び交っているハーレーの入門モデル群だが、ナイトスターの未来やいかに? 走りながら考えた。





























