トヨタ・ポルテ130i“Cパッケージ”(4AT)【ブリーフテスト(前編)】
トヨタ・ポルテ130i“Cパッケージ”(4AT)(前編) 2004.10.06 試乗記 ……184万4850円 総合評価……★★★★★ 2004年7月26日にデビューした「トヨタ・ポルテ」。仏語で「扉」という名のとおり、助手席側の大型電動スライドドアが特徴のコンパクトミニバンだ。1.3リッターの上級「130i “Cパッケージ”」に、別冊CG編集室の道田宣和が乗った。大発明!
世の中の発明・発見とか独創って、いったい何だろう? モノだろうか、コトだろうか。
乗用車の世界にスライドドアを紹介したのは、1982年登場の初代「日産プレーリー」である。また、左右でドアの数が異なる非対称ボディの考え方は「スズキ・ワゴンR」が1993年に編み出した。そうそう、アメリカではGMが1989年にデビューさせた、スライドドアかつ非対称のミニバン三姉妹「シボレー・ルミナAPV/ポンティアック・トランスポート/オールズモビル・シルエット」なんていうのもあったっけ。
「トヨタ・ポルテ」は、その意味ですこしも新しくないが、それでも「目からウロコ」なのは間違いない。個々の技術は初めてでなくても、クルマ全体としての「ありよう」がまさに革命的だからだ。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
全車標準のリモコンキーを使って「開けゴマ!」を試みると、これまた全車標準の電動スライドドアがスルスルと自動で開き、全長4mを切るコンパクトなボディの真ん中に、見たこともないような大穴がポッカリと出現する。まずは例外的なアクセスの良さを確保し、その上でこれまでになかった空間利用を実現しようというのがこのクルマのコンセプトである。
それを可能にしたのが、徹底したボディ左右の非対称化である。「通常の2ドア車」にすぎない右半分とは対照的に、左半分は最大かつ最適な開口部面積と位置を得るために、ドアそのものはむろんのこと、敢えてAピラー(正確には逆Y字型に別れた後ろ側。A'ピラーと言うべきか?)やBピラーの取り付け場所まで変えているのだ。当然、AピラーとA'ピラーとに挟まれたフロントクォーターウィンドウ(?)やリアサイドウィンドウの大きさが違うし、ついでに言えばドアミラーの位置も左右で異なる。全社あげてコスト削減に励むトヨタで、よくもまあこんな贅沢が許されるものだと感心してしまう。しかも、後述するように室内もシートの配置やデザインが左右非対称なのだから、呆れるばかりだ。
けれども、こうなるとさすがに左ハンドルの輸出仕様まではつくれないのではないか。クルマづくりが保守的なヨーロッパあたりでは大ウケだと思うのだが。
(グレード概要)
クルマ自体のユニークさとは裏腹に、いや、だからこそか、バリエーションは思いのほかすくなく、全部で3車種しかない。
トヨタのスモールカーに多用される「2NZ-FE型」1.3リッター87ps搭載の「130i」とその上級版「130i“Cパッケージ”」、そして「1NZ-FE型」1.5リッター109psの「150r」がすべてである。全車2WDのみ。トランスミッションはコラムセレクト4AT一本だ。
「ヴィッツ」譲りのサスペンションは前マクファーソンストラット/コイル、後トーションビームと、凝ったところは何もない。
そのかわり、このクルマならではの仕様や構造、装備は最初から全車に共通だ。乗り降りのしやすさと並んで最大のセリングポイントになっている広くてフレキシブルな室内空間は、最大750mmにも及ぶスライド量を持ち、バックレストが水平に前倒することによって背面がテーブルにも使える助手席の存在抜きには語れない。
その助手席とリアシートの状態を適宜組み合わせると合計6パターンの使い分けが選択可能だが、なかでもユニークなのが「フリースペースモード」と「トライアングルモード」である。
前者は助手席を最前端に追いやることによって後席左側の住人にストレッチリムジン並みのレッグスペースを提供し、後者は逆にそれを最後端に引き寄せることによって、その席の住人が斜め右後ろに席を占める同乗者(たとえば幼児など)とのより親密なコミュニケーションを図れるようにというものだ。
後席はクッションが跳ね上げ可能なベンチシートで、さらにその後ろにはたんなる荷室があるだけ。つまり、同じ多目的車でも定員は5名と割り切り、もっぱら空間の「質」で勝負しようというわけだ。
ベースの130iに比べて10万5000円高のCパッケージは、リアシートのバックレストが一体式から6:4分割/リクライニング付きに進化するほか、ファブリックのシート地も敏感な肌に対応した「フレシール加工」に、空調もイオン発生器付きのオートエアコンにグレードアップされる。
150rは排気量と本革巻きステアリングがCパッケージに対する数少ない違いで、その差8万4000円の157万5000円である。いずれにしろ、“小さなバスみたいな”このクルマが138万6000円からというのは驚きだ。(後編につづく)
(文=別冊CG編集室道田宣和/写真=峰昌宏/2004年10月)
トヨタ・ポルテ130i“Cパッケージ”(4AT)【ブリーフテスト(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015748.html

道田 宣和
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