トヨタ・クラウンマジェスタCタイプi-Four(6AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・クラウンマジェスタCタイプi-Four(6AT) 2004.09.24 試乗記 ……704万9700円 総合評価……★★★ 昨2003年12月に発表された12代目「クラウン」に続き、シリーズ最高峰の「マジェスタ」がフルモデルチェンジされた。上級グレード「Cタイプ」の4WD仕様「i-Four」に、二玄社自動車部門編集局長の阪和明が試乗した。ひたすら安楽
よくできたクルマである。V8エンジンも6段オートマチックトランスミッションもウルトラが付くほどスムーズで、エアサスペンションによる乗り心地も良好だ。人によって好みの分かれるデザインは別として、内装の質感も高い。運転しても乗せられても、ひたすら安楽なクルマだ。トヨタの考える高級サルーン像がよくわかる。レクサスが販売チャンネルとして新たに展開されるにあたって、トヨタブランドの頂点に位置する「クラウンマジェスタ」の完成度が高いのは当然かもしれない。メーカーの力の入れ具合がストレートに伝わってくる。
ただし、お値段も頂点に上り詰めた。価格が637万3500円、オプション込みで704万9700円。そう聞くと、ちょっと唸ってしまう。ハードウェアとしては4つ星を与えたいところだが、価格を考慮して星は3つにしたい。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「クラウンマジェスタ」は、クラウンシリーズのトップモデル。現行型は、2004年7月5日にフルモデルチェンジを受けた4代目である。
“MJ”ことニューマジェスタは、2003年12月、エンジンやシャシーを一新した12代目「クラウン」のプラットフォームをベースに、従来型よりスポーティに振られた仕様。パワートレインは「セルシオ」由来の4.3リッターV8に、6段ATを搭載。よりゴージャスな内外装、充実した装備と、最新技術を用いた安全性能などを与えた。全車エアサスペンションを装着することも特徴である。
ハイテク装備もジマン。アクティブセーフティ電子デバイス「VDIM」(Vehicle Dynamics Integrated Management)は、「VSC」を、ABSや電動パワーステアリングなどと統合したシステムで、車両限界前から制御することで、安全性能と運動性能の両立を実現したという。さらに、30km/hまでの速度域において前車との車間を自動調節、一時停止まで行う「低速追従モード付きレーダークルーズコントロール」や、ミリ波レーダーで車間を測定し、衝突を事前に察知する「プリクラッシュセーフティシステム」に、CMOSカメラの情報を加えた画像フュージョン方式を採用した。
(グレード概要)
基本的には、「Aタイプ」(567万円)と「Cタイプ」(609万円)の2グレード構成で、Cタイプには4WD「i-Four」(637万3500円)を設定。いずれも、トヨタブランドのトップ車種とあって装備は充実する。
Aタイプでも、オートエアコンやオーディオなど、いわゆるアクセサリー類は標準装備。Cタイプはそれに加えて、快適性、とりわけ後席のそれをレベルアップする以下の豪華装備が付いてくる。4:2:4分割パワーリアシート、リアオートエアコン、イオン発生器、電動リアサンシェード/手動リアドアサンシェードなどである。
テスト車はそれらに加え、ナイトビュー(31万5000円)、レーダークルーズコントロール(7万3500円)、クラウン“マークレビンソン”プレミアムサウンドシステムなどがオプションで装備される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
ウッドパネルが随所に使われたインストゥルメントパネルは、高級感を演出しようとしたメーカーの意図が伝わってくる。その色合いが明るいことも歓迎されるだろう。もっとも、個人的にはもうすこしすっきりしたデザインが好みだ。
白色透過文字のメーター類は別段新しさはないものの、とても見やすい。
さすがに高価格車だけのことはあり、装備は充分すぎるほど揃っている。現時点で考えうるほとんどの安全・快適装備が盛り込まれているのは、トップモデルの名に恥じない。こと装備の充実ぶりに関しては、輸入車のアッパーミドルクラスを凌いでいる。
テスト車にはオプションながら夜間走行でドライバーをアシストする「ナイトビュー」まで付く。夜なお明るい都会では鬱陶しい場面もなくはないが、照明がないに等しい田舎道や山間部では視界を確保するための有効な装備といえる。新生マジェスタの売りもののひとつである車体総合制御システムの「VIDM」は、テスト車が4WD仕様の「i-Four」なので装着されていない。
(前席)……★★★★
ざっくりとした風合いのファブリック地のシートの座り心地はいい。スポーツ走行するような場面では、サポートが充分じゃないとはいえ、日常の使用では困ることはないし、見た目以上に快適な形状だ。もちろんシートは電動、ステアリングホイールも電動で前後上下に調整できるので、ドライビングポジションにもなんら不満を感じない。ヘッドルームもたっぷりと余裕がある。小物入れの位置と数も適切だ。
(後席)……★★★★
全長5メートルにならんとするクルマだけに、予想に違わず足もとは広い。頭と天井とのスペースにも文句のつけようもない。側頭部の狭さなど皆無だ。シートバックは最大11度の範囲で無段階で傾きを調節でき、ゆったりした気分に浸れるのが嬉しい。エアコンの冷風が天井からそよそよ吹き出してくるのもありがたい。これでオプションのオットマンでもあれば、いうことない空間になるはずだ。
(荷室)……★★★
特筆すべきことはなにもない。このクラスのサイズのクルマ相応の容量がある。開口部の広さもまずまずで、使い勝手は上々だ。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
マジェスタで素晴らしいのはパワートレインの完成度。4.3リッターV8のハイパワーと図太いトルクがもたらしてくれるスポーツカー顔負けの鋭い加速に思わずニンマリすること請け合いだ。極めて滑らかに変速する出色のできの6段オートマチックとの相性のよさも手伝って、どんな回転域からも、間髪を入れずにダッシュできる高い動力性能を有している。その気になればガンガンかっ飛ばせるクルマである。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
エアサスペンションの恩恵で、街なかや高速道路での移動はすこぶる快適だ。乗り心地は基本的にソフトながら、ブアブアするような頼りなさは皆無だ。段差を通過するときの下からの突き上げもうまく抑えられているが、路面状況によっては、ときにタイヤがドタバタするような感覚もなくはないのが惜しい。また、エンジンや駆動系が静かなだけに、思いのほかロードノイズが気になったりする。
電動パワステはまずまず正確だが、少々軽すぎるのが難点だ。もうちょっと重めのほうが違和感がなくていいし、クルマの重厚感につながると思う。今回はワインディングロードを走る機会がなかったのでハンドリングについては言及できない。ただ、インターチェンジでのコーナリングから判断するに、常識的な走り方であれば破綻をきたすことはもちろんないだろう。
(写真=荒川正幸/2004年9月)
【テストデータ】
報告者:二玄社自動車部門編集局長 阪和明
テスト日:2004年8月2日-8月5日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2004年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)215/55R17 93V(後)同じ(いずれもトーヨーPROXES J33)
オプション装備:ナイトビュー(31万5000円)/レーダークルーズコントロール(7万3500円/ブレーキ制御付き、低速追従モードなし)/クラウン“マークレビンソン”プレミアムサウンドシステム(26万8800円/G-BOOK対応高精細DVDボイスナビゲーション付きEMV、TV・AM/FMマルチ電子チューナーラジオ+インダッシュ6連奏DVDオートチェンジャー+MD+14スピーカー)/リアフォグランプ+寒冷地仕様(1万8900円)
形態:ロードインプレッション
走行形態:市街地(6):高速道路(4)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

阪 和明
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