第69回:勝手に号外!小沢コージ、初のファーストクラス試乗……しかし、いらない!?
2003.09.22 小沢コージの勢いまかせ!第69回:勝手に号外!小沢コージ、初のファーストクラス試乗……しかし、いらない!?
■ビジネス、ファーストでいいのか!?
あのね。ホントは「続フランクフルトショー」とか書くべきことはいっぱいあるんだけど、ゴメン。ついつい書きやすい雑談から行っちゃいまーす!
その前にヒトコト。えー、俺は前々から思っているのだが、この業界(つまり自動車専門誌)には、間違っている点が多々あると思う。それはメーカーさんの招待で海外取材に行くとき、ほとんどの場合がビジネスクラスなこと。
正直、ありがたい。ラクチン、うれしくないわけがないが、自重する意味でそれが当たり前になるのはどうだろうか。だってさ。堕落する一方じゃない。人間として。
あたり前の話だが、俺はプライベートではエコノミーに乗るし、苦でもなんでもない。こないだなんか人と合わせるために、ヨーロッパ便でビジネスからエコノミーへダウングレードしたほど。だいたい一応ジャーナリストなんだからさ。移動手段なんか最低限でいいじゃない。
元々メーカーさんの招待で、海外試乗会やショーに行かせてもらってるわけだし、それだけでもありがたいじゃないですか。そんなにビジネスで行きたかったら、マイレージでも貯めて個人的にアップグレードすればいいと思う。そんなに離陸前にシャンパン飲みたいですか? って感じ。
人間、ついつい贅沢はクセになる。それが一番怖いんですよ……。
■日本ドイツ間、片道90万円超!
ってな具合にカッコいいこといっちゃったけど、要するに次の現象の前フリね。そ、初めてファーストクラスなるものに乗っちゃったのだ〜! いやー、バブリーだったぁ。面白かったです。
フランクフルトから成田に帰ってくる時、ルフトハンザだったんだけど、本来のビジネスの席がいっぱいだったのか、勝手にファーストクラスになっていたのだ〜、どっひゃ〜。さっきホームページで調べてみたところ、同日の片道料金が90万300円。正規料金とはいえね。うーむ……。
でね。凄かったです。なにがスゴかったって、最大のポイントは横に寝られることだよね。その昔、「起きて半畳、寝て一畳」って、いくら人間が偉くなっても所詮その程度という格言があったけど、その一畳が高いんだよ! という具合ですか。そういえば、隣のドイツ人らしき人はメシも食わずに、乗った瞬間から降りる瞬間まで寝てました。
「世のなか、タダほど高いもんはない!」とはよくいわれることだけど、このたびは「世のなか、ハイテクでつくられた場所ほど高いもんはない!?」ってな具合ですか。スペースシャトルの場合、もっと高いんだろうなぁ……なんて。
それからね。面白いのがスチュワーデスさん。よっぽどの美人が出てくると思ったらとんでもない。松島トモ子さんみたいなお母さんが出てくるのだ〜。正直、色気のかけらもないけど、この方が気の付くこと気の付くこと。接客業として、ひとつの究極を見た思いです。
■贅沢ってのは……
それから食事ね。豪華なのはもちろんなんだけど、まずはメニューの多さに驚いた。オードブルはカートに乗って4種類ぐらいでてくる。基本は1、2皿なんだけど、その気になれば3〜4皿食うことも可能。さすがにやらなかったけどね。しかも“質”がよい。一番わかりやすいところでは「北極鹿」だっけかな?「北極アザラシ」だっけかな? の肉が印象的。クセあるけどしょっぱウマかったです。
あと、最初にシャンパン出てくるのはビジネスクラスも一緒だけど、同時に出てくるナッツをわざわざあっためてくれるのにも参った。この分だけでいくらに換算されるんだろう……とか、セコいこと考えたりして。そのほかじゃ歯ブラシセットはやたら豪華だし、隣との距離も離れてるしね。「お金を取る」とはどういうことかを知らされました。
さらに、面白かったのが通路を隔てて隣に座った日本人女性。コシノ○×△さんとかモリ○△□といった風の、いかにもヨーロッパ慣れした人だったんだけど、乗るなり“松島トモ子”(キャビンアテンダント)さんに「今日は混んでるわねぇ」と一言。それもかなりイヤそうに。
贅沢ってのはつくづく慣れるんだなぁと思った次第。でもその人も、隣にカッコよさげな白人男性が座ったらやたらうれしそうにお話してたけど。
で、改めて俺はここに断言します。
俺はエコノミークラスで十分!
年収“億”にでもなったら話は変わるかもしれないけどね。要するに残り一生ですべて、「一時間当たり平均10万円ぐらい使える人」になったらね。それよっか早く帰りたいよ〜!
(文=小沢コージ/2003年9月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
NEW
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
NEW
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。 -
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】
2026.1.17試乗記BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。 -
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る
2026.1.16デイリーコラム英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。
