「スタッドレスタイヤを通年履いたら・・・・・・?」
2003.04.26 クルマ生活Q&A タイヤ・ホイール「スタッドレスタイヤを通年履いたら・・・・・・?」
スタッドレスタイヤに替えたいと思っているのですが、春に再度サマータイヤに履き替えるのが面倒で、二の足を踏んでいます。もし通年スタッドレスタイヤを履き通したら、どうなるのでしょう? 問題点を教えてください。(東京都のNTさん)
お答えします。スタッドレスタイヤは、普通のタイヤに比べてゴムが柔らかいのが特徴です。タイヤが柔らかいと、地面を蹴るときに抵抗が大きくなるので、燃費が悪くなりがちです。また、ゴムがソフトということは、タイヤ自身も減りやすいということです。
たとえバナシをしますと、もし自分の履いている靴の底がフニャフニャ柔らかかったらどうでしょう? 路面との密着性は高いし、ショックもやわらげてくれます。しかし足を前に出した瞬間に、踏ん張っているもう片方の靴底が大きくひずみ、思うように前へ進めないはずです。
極端なことを言いますと、ゴムの性質上、冬場に丁度よく歩きやすい靴底は、夏場は柔らかくなりすぎて、歩くのに疲れてしまいます。スタッドレスタイヤを通年で履くということは、それと同じことなのです。クルマの場合は、“歩きにくい”ということが操縦の不安定感につながり、“疲れる”ことは、燃費を悪くすることです。あまりオススメできませんね。
年に2度の「衣替え」と思って、交換してはいかがでしょうか。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。