トヨタ「ハリアー」、フルモデルチェンジ
2003.02.18 自動車ニューストヨタ「ハリアー」、フルモデルチェンジ
トヨタ自動車は、SUV「ハリアー」をフルモデルチェンジし、2003年2月17日に発売した。
■ポイントは、走りと安全性
「ワイルド・バット・フォーマル」のCMがちょっと懐かしい、初代「ハリアー」の誕生は1997年。いわゆるヨンクとしてのSUVを、街乗りかつ高級にふった「オールラウンダー」コンセプトのワゴンとしてデビューし、国内、そして北米の高級車チャネル「レクサス」のコンパクトSUVとして販売。ヒットモデルとしての地位を築いてきた。
初めて行われるフルモデルチェンジのテーマは、「ハンドリング性能と先進の安全性」。ひとまわり大きくなったボディに、改良を進めたサスペンション、そしてミリ波レーダーを用いた衝突被害軽減を図る装置「プリクラッシュセーフティシステム」などを盛り込んだ。
エンジンは従来通り、2.4リッター直4と3リッターV6の2種類。トランスミッションは、直4モデルに先代同様の4段AT「Super ECT」。V6に1段多い5段AT「5Super ECT」を奢った点が新しい。駆動方式は、2WDとフルタイム4WDのいずれか。価格は、249.0万円から367.0万円までで、月販目標を2500台に設定。海外は北米市場を中心に、月販9000台を目標にする。
■一目で「ハリアー」とわかる
ボディサイズは、全長×全幅×全高=4730×1845×1680mm、ホイールベースは2715mm。先代と較べて、それぞれ155×30×15mm大きく、ホイールベースは100mm延長された。ハンドルの切れ角を先代に較べて増大させたため、取り回しやすさの目安、最小回転半径は5.7mと変わらない。
エクステリアデザインは、ずばりキープコンセプト。一目で「ハリアー」とわかるものだが、ヘッドランプの造形をシャープにし、名前の由来になった猛禽類(鷹の一種)を思わせる演出を施した。リアはウィンドウの傾斜を強め、流れるようなサイドビューを形成したという。
インテリアのテーマは、ラグジュアリー&スポーティ。“鷹が翼を広げたカタチ”をモチーフにした、インストルメントパネルが特徴的だ。ドアトリムのアームレストなどにウッドパネルを新たに採用し、ラグジュアリー性を高めるとともに、センターパネル左右などはメタルバーでアクセントをつけ、スポーティ感を演出した。
■新設計のサスペンション
エンジンラインナップは先代と変わらず、3リッターV6 DOHC24バルブ(220ps/5800rpm、31.0kgm/4400rpm)と、2.4リッター直4 DOHC16バルブ(160ps/5600rpm、22.5kgm/4000rpm)の2種類。3リッターにのみ5段ATが組み合わされ、2.4リッターは従来通りの4段ATとなる。
4WD車は、前:後=50:50にトルク配分を行う、フルタイム4WDシステム。3リッターモデルは、VSC(車両安定性制御システム)とTRC(トラクションコントロールシステム)を備え、4輪のブレーキとエンジンスロットルを制御。最適なトルクをコントロールするという。2.4リッター版は、従来通りのビスカスカプリングとなる。
サスペンション形式は、フロントがマクファーソンストラット、リアはデュアルリンク式ストラット。どちらも、ダンパー、コイル、スタビライザーを新設計とし、応答性の向上が図られた。サスペンションを担当した、第1開発センターの草間栄一氏は、「特に高速道路などで、バネ上のフラット感が強く感じられると思います」と語る。
トップグレード「AIRS」は、オートレベリング機能を備えたエアサスペンションを装着する。車高制御機能を備え、標準の「Nモード」、車高を30mm高めて悪路走行に対応する「Hiモード」、車高をNより15mm下げ、ワインディングなどのスポーツ走行に適する「Loモード」、そして車高を30mm下げ、乗降性を高める「乗降モード」と、4つのモードが用意される。
■プリクラッシュセーフティ
新型ハリアーの目玉は、衝突時の被害を軽減する「プリクラッシュセーフティ」だ。最上級グレード「AIRS」にオプション設定されるこのシステムは、フロントに備わるミリ波レーダーからの情報により、前方障害物への衝突を回避できるかできないかをコンピューターが判断する。不可避と判断された場合、前席シートベルトをモーターで巻き取り、乗員をシートに固定。さらに、ブレーキペダルの踏み込み量にかかわらず、踏み込みと同時にブレーキアシストを作動させることにより衝突速度を低減、ダメージを最小限に食い止めるというハイテク装備だ。
他に、ステアリングホイールの切れ角により、ロービームの光軸を左右に動かして、夜間の視認性向上を図る「インテリジェントAFS」(AIRSに標準)が設定されたことも新しい。
価格の詳細は、以下の通り。
●2WD
240G(2.4リッター+4段AT):249.0万円
同Lパッケージ:262.0万円
同プレミアムLパッケージ:281.0万円
300G(3リッター+5段AT):281.0万円
同Lパッケージ:294.0万円
同プレミアムLパッケージ:313.0万円
AIRS:343.0万円
●4WD
240G(2.4リッター+4段AT):273.0万円
同Lパッケージ:286.0万円
同プレミアムLパッケージ:305.0万円
300G(3リッター+5段AT):309.0万円
同Lパッケージ:322.0万円
同プレミアムLパッケージ:341.0万円
AIRS:367.0万円
なお、福祉車両「ウェルキャブ」も同日発売。スイッチ操作で助手席が電動で回転、上下動し、乗降性を高めた「助手席リフトアップシート車Aタイプ」が設定される。
(webCGオオサワ)
トヨタ自動車「ハリアー」:
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/harrier/index.html
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