いよいよ開幕!GMの燃料電池車、ジャガー「XJ」【パリサロン02】
2002.09.27 自動車ニュース【パリサロン2002】いよいよ開幕!GMの燃料電池車、ジャガー「XJ」
「パリサロン」こと、「パリ・モーターショー」(Paris Mondial de l'automobile)が、2002年9月26日のプレスディで幕を開けた。会場に飛んだwebCGエグゼクティブディレクターの大川悠が、注目のモデルを速報としてお届けする。
■熱心なGM、現実的なフォード
多少はアメリカ車が売れているジュネーブ・ショーや東京モーターショーはともかく、パリサロンが開かれるフランスでは、事実上アメリカ車のマーケットはほとんどないといっていい。しかも数ヶ月後には、もっとも大切なデトロイト・ショーを控えているから、本当の意味でのアメリカ車のニューモデルは事実上ゼロに等しい。
そのかわり、オペルやヨーロッパ・フォードがそれを代行する。またダイムラーと組んでいるクライスラーは、ヨーロッパではジープ系が中心になる。
その観点から興味深かったのが、GMがかなり熱心で、デトロイト・アイアンや北米製のコンセプトカーをもってきたこと。なかでも『CG』『NAVI』最新号(2002年11月号)でも紹介した燃料電池車「ハイ・ワイア(Hy-wiew)」が話題の中心だった。これは、2002年1月のデトロイト・ショーで発表した「オートノミー(AUTOnomy)」を発展させたもの。フル・バイワイアカーの提案で、ベルトーネが手伝ったボディもきれいだが、機械部分が上部に出ないと言う特性を生かしたインテリアが魅力的だ。
もうひとつは、オペル「メリーバ(Meriva)」。「アストラ」ベースのミニバンだが、5シーターがすぐに4シーターにできるのが特徴である。
フォードはかなり現実的で、「フィエスタ」「フォーカス」「モンデオ」のバリエーション拡張を狙う。なかでも「フォーカスC-MAX」と呼ばれるモデルは、GMの「マリーヴァ」に似た、ちょっと低いミニバン。ジュネーブで出た「フィエスタ」ベースの「フュージョン」の兄貴分だ。でもフォードで人気を呼んだのは、すでに何度かコンセプトカーとして出ているストリートカの最終形。「Ka」をベースとした魅力的なオープン2シーターだ。まあ、最近世界的に低めのミニバンと小型のオープンがはやりだから、それなりに市場はあるだろう。
■ジャガー「XJ」、ついにフルモデルチェンジ
ポルシェ「カイエン」、ダイムラークライスラー「マイバッハ」と並んで、このショーのスターと見られていたのがジャガーの新しい「XJ」だ。
「Sタイプ」「Xタイプ」と、ここ数年ラインナップを増強してきたジャガーの大黒柱、あるいは親玉フォードの高級ブランド部門PAG(プレミアム・オートモティブ・グループ)の象徴的高級車がついにモデルチェンジした。
パリに現れたモデルは、噂通りのオールアルミ・ボディを強調すべく、アルミの磨きだしの“銀ぴかモデル”で人目を引いたが、居合わせた多くのプレスは、格好には多少落胆した。確かにXJの伝統通りの正常発展である。でも見方によっては、大きなXタイプにも見える。そのくらい控えめな、いやジャガーに言わせれば、伝統を大切にしたスタイリングなのだ。
ただし長く、幅広くなったのに加え、全高がかなり上げられたから、パッケージングはかなり良くなっている。
でもジャガーの謳い文句はなんと言ってもオールアルミによる軽量化。同じサイズのスティール・ボディよりも実に40%軽いだけでなく、現行モデルより60%剛性がアップしているという。そのバネ上重量の軽量化に対応すべく、バネ下を軽くするためにエアサスペンションが導入された。
エンジンは3リッターV6から、最近熱を入れている4.2リッターの過給機付きV8まで4種。多分、いつかはV12が蘇るだろう。
(webCG 大川)
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