VWグループの主役は“悲願のエコカー”「XL1」【ジュネーブショー2013】

2013.03.06 自動車ニュース 塩見 智

【ジュネーブショー2013】 フォルクスワーゲン・グループの主役は“悲願のエコカー”「XL1」

フォルクスワーゲン、アウディ、セアト、シュコダ、ベントレー、ランボルギーニ、ブガッティ、そしてポルシェと、ショー会場のホール1と2に集中的にブースを開設したフォルクスワーゲン・グループ各社。プレスカンファレンスが行われた間はもちろん、その他の時間帯も取材陣が押し寄せた。

巨大なブース面積を誇るフォルクスワーゲン。カンファレンスの冒頭、モニターにフォルクスワーゲン・グループ元会長のフェルディナント・ピエヒの姿が映し出され、はにかんだ表情が紹介された。ピエヒ元会長がフォルクスワーゲン・ブースを訪れても不思議はないのだが、わざわざカメラでアップにしたのには意味がある。彼の悲願だった“3リッターカー”を起源にもつ「XL1」の市販バージョンが、お披露目されたのだ。

「XL1」は直列2気筒のディーゼルエンジン(最高出力48ps)、電気モーター(同20kW)、7段デュアルクラッチトランスミッション、リチウムイオンバッテリー(容量5.5kWh)を搭載するプラグインハイブリッドカーだ。

市販バージョンということで、車両重量はこれまでのコンセプトカー段階よりも増えたが、それでも795kgにとどまった。さらにCd値わずか0.189のエアロダイナミクスボディーをまとうなど、徹底的に効率を追求した結果、燃費は0.9リッター/100km(111.1km/リッター)と、すべての市販乗用車のなかで圧倒的に優秀な数値をマークした。

EVモードで最大50km走行することが可能。最高速は160km/h(リミッター作動)、0-100km/h加速は12.7秒と発表された。100km/h巡航に必要な出力は8.4psにすぎないという。

単なるエコカーではなくドライビングファンも追求したのが「XL1」の特徴。カーボンモノコックを採用したボディーは、全長3888mm、全幅1665mm、全高1153mmと、コンパクトかつ細長い。「ポロよりも短く、ボクスターよりも(重心が)低い」とアナウンスされた。

コンセプト段階の前後タンデムレイアウトから、左右に並んで座る標準的なシートレイアウトに変更されたが、助手席を運転席よりも後ろにずらすことで、スペースを確保している。リアタイヤをスパッツで覆い、リアに向かって徐々に細くなるデザインは、ルマン24時間レースで活躍した往年の「アルピーヌM63」のようでもあった。

日本導入は未定。カーボンボディーだけに買いやすい価格というのは難しいだろう。

このほか、フォルクスワーゲンのブースでは、「ゴルフGTI/GTD」「ゴルフヴァリアント」「cross up!」なども初披露された。

(文と写真=塩見 智)

「フォルクスワーゲンXL1」
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