「メンバーの剛性ってなに?」

2002.01.07 クルマ生活Q&A 松本 英雄 サスペンション

「メンバーの剛性ってなに?」

私は、アルテッツァに乗っているのですが、雑誌とかインターネットの掲示板に「サスペンションメンバーの剛性が足りない」と書かれているのを見かけます。これはどういうことでしょうか? また、補強するにはどうすればいいのでしょうか?(神奈川県大和市・WHさん)

お答えします。「メンバーの剛性」とはサスペンションアームなどの取り付け部(ピボット)の剛性のことです。このピボット部分の剛性が低いと(とくにリアですが)コーナリング時に不愉快なふらつきが表れたりします。

メンバーとは別にサスペンションアームのゴムのブッシュが歪んで剛性感の低い足回りになってしまうこともあります。これはタイヤからの振動や衝撃を緩和すると同時に車内への音も低減する働きをになっているものです。

剛性が足りないなと思われるようでしたら、ブッシュ類を硬めにし、ボルトオンで装着が可能な強化パーツを付けるという手もあります。ただし、ボディの剛性が足りまま強化すると、金属が徐々に劣化して「金属疲労」を起こし、サスペンション取り付け部にクラックが入ったりするおそれもあります。要は、自分で運転してみて実際に「剛性が足りない」と思わないかぎりは、ノーマルの状態で乗りつづけることをオススメします。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。