「セルフレベリング機構って、どういう仕組みなの?」
2007.02.03 クルマ生活Q&A サスペンション「セルフレベリング機構って、どういう仕組みなの?」
私のクルマのサスペンションは、セルフレベリング機構付きです。いったいどういう仕組みで水平を保っているのでしょうか。
お答えします。セルフレベリング機構というのは、クルマに重量がかかった時に車体が傾いてしまうのを水平に戻す装置のことですね。
最近のクルマのサスペンションは、ほとんどが独立懸架です。乗り心地や操縦安定性では有利なのですが、重量の変化によるアライメントの変化は大きくなってしまいます。後ろに重量物を載せると前が浮き気味になることがありますし、全体的に重くなればネガティブキャンバーが強くなってハンドリングが不安定になることもあります。それを抑えるために、セルフレベリング機構が必要になるのです。
エアサスペンションの場合は、ハイトセンサーが傾きを感知すると沈んだ側のエアスプリングに空気を送り込んで車高を上げます。エアサスペンションではないクルマでも、ダンパーに空気を送って車高を変化させる方法が使われることもあります。
どちらの方法でも、サスペンションは多少硬くなるので乗り心地に影響が出る可能性はありますが、ジオメトリーを維持することのほうがメリットが大きいという判断でこの機構が採用されるわけです。
特殊なものとしては、シトロエンのハイドロニューマチックが挙げられます。これは油圧で制御する方式で、1955年に発表された「DS」に採用されていました。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。