「エアサスは経年劣化しない?」
2007.01.06 クルマ生活Q&A サスペンションエアサスを採用したクルマが増えていますが、金属のバネを使わないのだから経年劣化はないように思えます。エアサス車は、長く乗っても新車の乗り心地のままなのでしょうか。(JTさん)
お答えします。エアサスペンションというのは、コイルスプリングや板バネの代わりに空気を封入した筒を使うものです。圧縮空気の弾力を利用して、衝撃を受け止めるわけです。だから、いわゆるバネのへたりという現象は起こりません。
でも、エアサスでも接合部には金属バネと同じようにゴムブッシュを使っていますから、ゴムの経年劣化は避けられません。だんだん乗り心地が悪くなってきますので、7、8万キロを目安に交換したほうがいいでしょう。
また、エアサスは高圧の空気を封じ込めるわけですから、密閉のためにゴムのシールを使っています。これが劣化してくると、空気が逃げやすくなってきます。
走っている間は空気が注入されますので大丈夫なのですが、長期間停めておくと空気が漏れて車高が下がったり傾いたりすることがあります。急に危険な状態になることはあまり考えられませんが、見てすぐわかるほどに傾いているのなら修理したほうがいいでしょう。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。