「ダンパーを替えると車高が上がる?」

2008.01.12 クルマ生活Q&A 松本 英雄 サスペンション

「ダンパーを替えると車高が上がる?」

車高を決めるのはスプリングのはずですが、ダンパーを替えると車高が上がることがあると聞きました。本当にそんなことがあるんですか?

お答えします。ダンパーは車高を決めるパーツではありませんが、場合によっては交換で影響が出ることがあります。

まず考えられるのは、組み付け時の状況が原因となっているケースです。サスペンションを組み直す時には、「1G」状態、つまり車重がかかるようにして組んで指定トルクで締める必要があります。重力がかかっていない状態で組んでしまうと、車高が上がったままになってしまいます。

次に、ガス封入式ダンパーを装着したことも考えられます。オイルタイプのものと違って、ガス封入式のダンパーは常に内部に圧力がかかっています。ガスを圧縮した反力を利用して減衰力を発生させているわけで、ピストンを押し上げようとする力が働きます。それによって、車高も上がってしまう可能性があるわけです。

また、最近のオイル式ダンパーの中には、内部にバネを組み込んでいるものがあります。常に反力が確保されているので、初期性能がいいことが特徴です。これも、車高に影響を与えることがあります。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。