「サスペンションのブッシュ類の交換時期は?」

2012.11.17 クルマ生活Q&A 松本 英雄 サスペンション

2009年式「BMW 320i Mスポーツ」に乗っています。毎日、都市高速主体の往復100kmの通勤に使用しており、走行距離は6万kmを超えました。メンテナンスについてお尋ねしたいのですが、雑誌などでドイツ車はサスペンションのブッシュの交換によってハンドリングと乗り心地がよみがえるとか、ブッシュ類は消耗品と考えるべき、などといった記述を目にすることがあります。これが本当だとすると、交換時期の目安はいったいどれくらいなのでしょうか?

お答えします。サスペンションのブッシュ類を交換すると、ハンドリングと乗り心地がリフレッシュされるのはたしかです。とはいうものの、同じ距離を走っていても、道路の状況や乗り方によっても劣化具合は異なってくるので、走行距離による判断はむずかしいですね。
ただしブッシュ類はゴムや樹脂製ですから、たとえ乗らなくても経年により油分が抜けて硬化していきます。目視してヒビなどの劣化が確認できたら、替えどきでしょう。あとは乗っていて劣化を感じたら、つまりヘタったという実感があったら、交換時期にきていると考えていいでしょう。交換する際は、工賃を考えるとブッシュ類だけを替えるのはもったいないですね。ブッシュ類のヘタリを感じるほど走ったならば、ショックアブソーバーも劣化しているでしょうから、同時に替えることをお勧めします。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。