「変速時はアクセルペダルを戻す?」
2001.06.13 クルマ生活Q&A トランスミッション「変速時はアクセルペダルを戻す?」
私は現在、クライスラーサィラスに乗っています。オートマチックトランスミッションをいたわる加速の方法について質問があります。Dレンジにおいて、停止の状態から加速していく過程で、変速時にガスペダルを戻したほうが良いのでしょうか? それとも、そのまま踏み込んでいて良いのでしょうか?(ONさん)
お答えします。「変速時にガスペダル(アクセルペダル)を戻したほうが良いか?」ということですが、たしかに少し戻してやったほうが、ATの変速機には優しいといえます。より正確に言うと、変速してから戻すのではなく、「変速しそうだな」というときに「アクセルを抜く」と、すみやかにシフトアップします。
ATの場合、ドライバーがアクセルペダルの踏み込みを戻さないまま変速するときは、シフトショックや空ぶかしが起こらないように、ブレーキバンドというものが油圧によってコントロールする構造となっています。
変速のときの回転が高ければ高いほど、ATには負担がかかります。変速時にアクセルペダルを戻すことによって回転を下げれば、トランスミッションのブレーキバンドへの負担も減ります。ですからアクセルペダルを戻すということはATに優しい行為です。
アクセルを発進時からそれほど深く踏みこまず、踏み込み量を一定にして加速していくと、ATが変速していく様子がわかります。その際、ギアチェンジしたいところで少しアクセルペダルを戻してみて下さい。すんなりシフトアップすると思います。このほうが燃費もよくなります。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。