日産エクストレイルS(4AT)【ブリーフテスト】
日産X-TRAIL(エクストレイル) S(4AT) 2000.11.16 試乗記 ……245.0万円 総合評価……★★★★バリュー・フォア・マネー
ライトクロカンとミニバンを足して2で割ったようなクルマだが、その発想がよい方に実を結んだ。サイドガラスとドアを直立気味に立てているから、車内空間は広い。後席クッションを取り外し、バックレストを倒し、助手席背もたれをフルリクライニングすれば、ロングボードを収納可能。実質的で使える工夫だ。未舗装路での乗り心地とハンドリングはクロカン同等かそれ以上だし、踏破力も高そうだ。おまけに価格も手頃。バリュー・フォア・マネー。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2000年10月19日に発表された日産の小型ヨンク。エクストリーム系スポーツ、いわゆる「横ノリ系」スポーツを楽しむ若者をターゲットに開発。気持ちの若いオジサン、オトウサン層の取り込みをも狙う。サニーのフロアパンをベースに、リアサスペンションをパラレルリンクを用いたストラット式の独立懸架に変更。テラノなどで実績のある電子制御式4WDシステム「オールモード4×4」を搭載した(FFモデルもある)。エンジンは、2リッターと同ターボ。
(グレード概要)
「S」は最もベーシックなグレード。上級グレードの「X」と比較すると、ホイールが鉄チン+ホイールカバーになり、車体後部のガラス類がプライバシーガラスにならないほか、ステアリングホイールがウレタン、エアコンがマニュアル、といった違いがある。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
「車両情報を乗員全員で共有」すると謳われるセンターメーターは、ドライバーの視線移動が多いので、あまり感心しない。インテリア全般は、グレー、メタリック、グラファイトなどをうまく配色して、新しい雰囲気を醸し出すことに成功した。好感がもてる。センターコンソールの保冷・保温対応「ドリンクボックス」は便利そう。ただ、「ティッシュボックスを収納可能」な運転席前インパネ上部の「ドライバーズボックス」は、出し入れするのにステアリングホイールが邪魔だし、万が一のとき、なかのモノが飛び出したりしないか、ちょっと心配。
(前席)……★★★★
シートは大ぶりで、まずまずのかけ心地。水気を弾き、拭き取れる撥水素材をシート表皮に用いた点も、エクストレイルの使われ方を考えると、評価できる。
(後席)……★★★★
後席の乗り心地もいい。未舗装路で凹凸の激しい路面でも、4輪独立懸架が効いて、リアの揺さぶられ方が小さい。車内空間も十分確保され、前席と変わらない居住性がある。
(荷室)……★★★★
最大床幅148cm、奥行き97cmと、まずまずのラゲッジスペース。リアシートの座面やアームレストが取り外せるようになっていたり、ダブルフォールディングした際、バックレスト背面のデザインをラゲッジフロアに合わせて違和感をなくしたりと、よく工夫されている。遊びだけでなく、ある種の仕事用にも向いているのではないか。花屋さんとか。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
排出ガスを低減(平成12年基準排出ガス25%低減レベル)した、新型「QR20DE」ユニット搭載。CVTC(連続可変バルブタイミングコントロール)を備え、「パワー」「トルク」「ドライバビリティ」などに可不足なし。トランスミッションは4段AT。4輪駆動システムは、テラノ、レグラス、エルグランドなどで実績のある「オールモード4×4」を小型軽量化したもの。アクセル開度や車輪速センサーなどからの情報を検知、走行状態に応じて電子制御多板クラッチを介して後輪へトルクを配分する。多くのライトクロカンのように、車輪がスリップしてから4輪へのトルクが増すのではない、高度なシステムだ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
特にオフロードでの乗り心地とハンドリングが秀逸だった。乗用車の延長線上のクルマだから当然か。一方で、踏破性能のカギであるアプローチアングルやデパーチャーアングルも、本格的なオフロード4WDと同じだけ取られていて感心させられる。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者 :金子浩久
テスト日:2000年11月9日
テスト車の形態 :広報車
テスト車の年式 :2000年型
テスト車の走行距離 :983km
タイヤ: (前)215/65R16 98S/(後)同じ(いずれもブリヂストン Dueler H/T 689)
オプション装備 :キセノンヘッドランプ+ナビゲーションシステム+16インチアルミホイール(45.0万円)
テスト形態 :ロードインプレッション
走行状態 :市街地(8):未舗装路(2)
テスト距離: --
使用燃料 :--
参考燃費:--

高橋 信宏
-
レクサスGX550“オーバートレイル+”(4WD/10AT)【試乗記】 2026.3.30 スタッドレスタイヤ装着の「レクサスGX」でウインタードライブへ。クルマ好きにとってはいかにも胸がふくらむシチュエーションだが、刻一刻と変化する自然環境が相手ゆえに、なかなか一筋縄ではいかないものだ。山に分け入る際には引き返す覚悟もお忘れなく。
-
スズキeビターラZ(4WD)【試乗記】 2026.3.28 スズキが満を持して世に問うた、初の量販電気自動車(BEV)「eビターラ」。エントリーグレードは400万円以下! 500万円以下で4WDも用意されるというお値打ち価格のBEVは、走らせてみるとどうなのか? 東京-愛知を往復して、その実力を確かめた。
-
スズキGSX-8T(6MT)【レビュー】 2026.3.25 昨今のネオクラシックブームに乗り、いよいよスズキからも新型車「GSX-8T」が登場。しかし実車に触れてみると、既存のライバルとはちょっと趣の異なるマシンとなっていた。スタイリッシュないでたちとスズキらしい実直さが融合した、独創の一台を報告する。
-
日産セレナe-POWERハイウェイスターV(FF)【試乗記】 2026.3.24 販売台数ではトヨタ勢に差をつけられながらも、日産の屋台骨として奮闘する「セレナ」。現行型の登場から3年、マイナーチェンジで磨きがかかった最新の「e-POWERハイウェイスターV」に試乗すると、人の感性に寄り添う開発陣のこだわりと良心が見えてきた。
-
BMW iX M70 xDrive(4WD)【試乗記】 2026.3.23 BMWが擁するSUVタイプの電気自動車「iX」。そのハイパフォーマンスモデルが「iX M70 xDrive」へと進化を遂げた。かつて、BMWの志向する次世代モビリティーの体現者として登場した一台は、今どのようなクルマとなっているのか? その実力に触れた。
-
NEW
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)/CR-V e:HEV RS(4WD)【試乗記】
2026.4.1試乗記ホンダの「CR-V」が日本市場に帰ってきた。先代モデルの発売時(2018年)も2年ぶりの復活で(少し)盛り上がっていたが、今回もまた3年半ぶりの復活である。モデルライフが途切れ途切れなところは気になるものの、新型のすっきりと上質な乗り味はまぎれもなくプレミアムな領域に達している。 -
NEW
今こそブランドの伝統と強みを前面に マツダと三菱のPHEVを乗り比べる
2026.4.1デイリーコラム日産自動車をはじめとした国産6ブランドがBEVとPHEVを集めた合同試乗会を開催。マツダと三菱のPHEVを乗り比べ、それぞれの特性や開発陣の考え方の違い、近い将来に向けたビジョンなどに思いをはせた。 -
NEW
第107回:さよならワグナー(後編) ―革新から正統へ 変節するメルセデスと欧州カーデザインの未来―
2026.4.1カーデザイン曼荼羅「EQ」シリーズの失敗を機に、保守的なイメージへ大転換! メルセデス・ベンツのカーデザインは、一体どこへ向かおうとしているのか? 名物デザイナー、ゴードン・ワグナー氏の退任を機に、スリーポインテッドスターと欧州カーデザインの未来を考えた。 -
NEW
目元にインパクト! 4灯式ヘッドランプのクルマ特集
2026.4.1日刊!名車列伝“コンビランプ”が当たり前になり、新車ではほとんど見ることのなくなった4灯式ヘッドランプ。今回は、そんな“4つ目”のフロントフェイスが印象的な、世界の名車を日替わりで紹介します。 -
開発中にボツになった「素晴らしいアイデア」は、その後どうなる?
2026.3.31あの多田哲哉のクルマQ&A車両を開発するなかで生まれた良いアイデアや素晴らしい技術には、実際に製品化に生かされないものも多数あるという。では、時を経て、それらが再び日の目を見ることはあるのか? 元トヨタの車両開発者、多田哲哉さんに聞いた。 -
メルセデスAMG GTクーペ/メルセデスAMG GT 4ドアクーペ【試乗記】
2026.3.31試乗記メルセデスAMGの「GT63 S Eパフォーマンス クーペ」と「GT53 4MATIC+(ISG)ファイナルエディション」は、同じAMG GTを名乗りながらも片や2ドア、こなた4ドアのクーペモデルだ。この両者には、どんな特徴や違いがあるのか。クローズドコースで確かめた。





























