日産プリメーラ25X (CVT)【ブリーフテスト】
日産プリメーラ25X (CVT) 2001.03.08 試乗記 ……289.2万円 総合評価……★★★★パソコン買ったら
「プリメーラ」と唐様で書く3代目。「ハンドリング命」の地味系セダンから、「ショーカーそのもの」のような斬新なスタイルで現われた。横幅1760mmの国際派モデル。初代、2代目と磨かれたハンドリングは新型でも健在で、よりマイルドで自然なモノに。ステアリングホイールを握ってドライブすると、室内の広さとはうらはらに、ボディの大きさを感じさせない。運転が楽しいクルマだ。
新開発2.5リッター「直噴」ユニットとCVTの相性はよくて、これまたこなれたがゆえに、先進性を意識させない。乗り心地はなめらかだ。
惜しむらくは、はやりの「IT」を謳った「集中コントロールスイッチ」。手前に突き出た形状はカッチョいいけれど、「初めにデザインありき」の感が拭えない。水平に近いコントロールパネルは見にくいうえ、左端のオーディオ関係のスイッチ類には、手を伸ばさないと届かない。さらに腹立たしいのは、拡張性を考慮しすぎたせいか、使い方が直感的にわからないこと。ボタン操作の結果がディスプレイに表示され、内容を解釈して、再びボタンを押さなければならない。エアコン調整に、アタマ使わなきゃならないなんて……。リポーターのアタマがワルいのか。
押し寄せるアイティーの波。パソコンの次にはプリメーラ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2001年1月30日にデビューした3代目プリメーラ。初代、先代の、地味なスタイリングとハンドリングの良さで売る「いぶし銀」的モデルから一転、エクステリア、インテリアともに斬新なデザインを前面に押し出した。チーフデザイナーは、ニッサンデザインヨーロッパ社のステファン・シュヴァルツ。セダン、ワゴンがあり、2.5または2リッターの直4ユニットをCVTと組み合わせる。2リッターワゴンには、4段ATの4WD車も用意される。
(グレード概要)
25Xは、セダンのトップグレード。2リッターモデルのホイールが15インチのスチールであるのに対し、25Xには16インチのアルミホイールが標準で装備される。インテリアでは、メーター、シフターまわりがカーボン調フィニッシャー、シフトノブおよびパーキングブレーキレバーが革巻きとなるのが違いだ。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
デザインスタディのモックアップが、そのまま製品になったような……。カッコいいけど、使いづらい。「クルマで得る情報はドライバーだけのものではなく、乗員全員で瞬時に共有するもの」(プレス資料)という考え方が間違っていると思います。なぜなら、乗員全員の安全は、ドライバーが一手に握っているのだから。「客室乗務員のサービス」と「安全性」。どちらを取るか、迷うヒトはいません。★ひとつ。プラス、斬新なデザインを商品化した勇気に、★ひとつ。
(前席)……★★★★
一歩まちがうと安手のタオルになるところ、上手に「アルカンタラ」を模して素材感を演出したファブリックシート。座り心地はふんわり。たっぷりしたヘッドレストがいい。サイドサポートは、必要十分に機能する。
(後席)……★★★
立派なアームレストが備わる。じゅうぶんな長さをもつ座面、足もと、頭上、横方向とも、空間は余裕だ。★4つ。ただ、シートバック一体型のヘッドレストがいただけない。万が一のとき、本当に後席乗員の首を本当に守ってくれるのか、不安。マイナス★1つ。
(荷室)……★★★
荷室最大幅140cm、奥行き86cm、高さ55cm。後席にスペースをとられたか、奥行きはいまひとつだが、開口部が広いのが美点。左右にダンパーを2本使った、贅沢なつくり。ラゲッジルームをフルに使える。4つのゴルフバッグを収納できるという。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
フィール的には「なんてことない」2.5リッターQR直噴ユニット。170ps、25.0kgmは、1340kgのボディに余裕の出力だ。CVTとのマッチングはよく練られていて、実速よりエンジン回転が先行する不自然さ、ヒーンというベルト式特有の高周波音は、すっかり影をひそめた。ATシフターを左ゲートに入れることで、擬似的に6段のシーケンシャルシフトを可能にする「ハイパーCVT-M6」は、「D」のままでも不満はない。軽く右足に力を入れると、思い通りに「シフトダウン」に該当する変速をしてくれる。ウリの手動変速も、感嘆するレスポンスの俊敏さ。だがしかし、いかなスポーティとはいえ、ファミリーユースの「2.5リッターセダン」にスポーツモードが本当に必要なのか、という根元的な疑問は拭えない。プリメーラに限りませんが。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
市街地、高速とも、路面の凹凸をいなして、ハーシュをよく遮断する。乗り心地はいい。ステアリングのパワーアシストは軽めだが、前輪からの情報は確実に伝える。ハンドリングは抜群。むやみに硬められたアシではないのでマイルド、かつスロットルペダルの操作に応じて、素直に姿勢を変える。楽しい。個人的には、2リッターモデルの方が軽快で好感を抱いたが、それは嗜好の問題である。もちろん、峠に行かずとも、グッドハンドリングの恩恵は受けられる。
(撮影=難波ケンジ)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年3月6日から7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:4249km
タイヤ:(前)215/50R17 91V/(後)同じ(いずれもDunlop SPSport3000A)
オプション装備:車間自動制御システム+自動料金収受システム+バックビューモニター(14.2万円)/キセノンヘッドランプ(6.0万円)/カーテンエアバッグ+前席サイドエアバッグ+前席アクティブヘッドレスト+後席中央席3点シートベルト(10.5万円)/ボディコーティング(3.5万円)/17インチアルミホイール+215/50R17タイヤ(6.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(4):山岳路(3)
テスト距離:634.1km
使用燃料:92.4リッター
参考燃費:6.9km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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