日産プレサージュCII(2WD/2500ガソリン/8人乗り)(4AT)【ブリーフテスト】
日産プレサージュCII(2WD/2500ガソリン/8人乗り)(4AT) 2001.09.14 試乗記 ……246.5万円 総合評価……★★
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本末転倒
マイナーチェンジを受けて、インテリアがグレーから一転、ベージュになったプレサージュ。最近、日産車に淡色の内装が増えたのは、「ディーラーよりお客さまの声を聞くようになったから」だそう。外観上では、やや膨らんだボンネットと穴あきグリル、そしてスッキリしたフロントバンパーがマイチェン前との識別点。とはいえ、全体に腰高なフォルムは変わらない。
ドアを開けると、パッと明るい車内はステキだが、フロアが高く、シート座面も高めで、やたらと迫る天井。ドライバーの視点は高く、しかしグリーンハウスが上下に薄い妙な室内空間。
エンジンが、2.4リッター「KA」型から、新鋭2.5リッター「QR」ユニットにかわるも、走りは平凡。「低・中速トルクの向上」を謳うが、スロットルレスポンスは緩慢で、“僕は運転手”と割り切るしかない。
試乗を終えてエンジニアの方にうかがうと、地上約45cmのフロアは、2列目シートのロングスライドを実現するためだという。「移動量を抑えれば、あと70mmは床を下げられるんですが」と、わかっていらっしゃるのか渋い顔。さらに高さがまるで足りないサードシートの背もたれについては、大人サイズにすると「バックレストを後に倒して横に跳ね上げると、ハッチゲイトが閉まらないから」だって。それって、本末転倒じゃあ……!?
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【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
プレサージュは、1998年6月に登場したルネッサのコンポーネンツを活用した3列シートミニバン。姉妹車にバサラがある。2001年8月29日にマイナーチェンジを受け、3リッターV6「VQ」エンジンはそのままに、2.4リッター直4「KA」が2.5リッター「QR」に変更され、2.5リッターディーゼルがカタログから落ちた。FFをベースに、2.5リッターモデルには4WDも用意される。トランスミッションは、すべてコラム式4AT。
(グレード概要)
プレサージュは、エンジン、駆動方式を問わず、トリムレベルによって、ベーシックな「C」、量販モデル「CII」、キセノンヘッドランプ、本革巻きステアリングホイールなどを標準装備、本革仕様も選べる「CIII」に分けられる。2駆モデルにのみ、空力パーツを装着して車高を20mm落とした「ハイウェイスター」あり。テスト車のCIIは、マイチェンによってDVDナビゲーションシステムを標準で装備するようになったのが最大のウリ。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
上下濃淡に分けられた嫌みのないインパネまわり。メーター、スイッチ類の意匠、配置も、平凡だが使いやすい。内装変更にともない、木目調パネルがメイプル調に変更された。6.5インチモニターはセンターコンソール上部にポップアップして、ドライバーの視線移動を抑える。
(前席)……★★★
座面が高く、ドライバーをして姿勢良く座らせるラグジュアリー指向の“椅子”。車内の広々感を出す苦肉の策として、(世の追突事故対応に逆行して)ヘッドレストは左右が20mm削られ、小さくなった。国内専用モデルならではだ。
(2列目シート)……★★★★
「ミンバン最善のシートは2列目」というフレーズは、プレサージュにも当てはまる。370mmのロングスライドを活かして一番後に設定すれば、足を延ばして極楽至極。背もたれを後に倒してフラットにしたり、前に倒してテーブルにすることもできる。なお、今回のマイナーチェンジで、バックレスト下部のストラップを引っ張るワンアクションで、サードシートに乗り込むための「スライド+背もたれの前倒れ」が可能になった。
(3列目シート)……★
フロアから座面の距離がごく短く、ヘッドレスト上端がようやく大人の首あたり。完全な子供用。ヘッドレストを抜き、背もたれを後に倒して横に跳ね上げれば、荷室を拡大できる。プレサージュにおいては、「サイズ」と「形態」は「シートアレンジ」に従う。
(荷室)……★★
床面最大幅131cm。天井までの高さ100cm。サードシートを使う際の奥行きは46cmとミニマム。とはいえ、いざとなれば3列目のシートを横に跳ね上げ、セカンドシートの背もたれを前に倒せば、約2mの長尺物を搭載することも可能となる。
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【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
「コンパクトバランサーシステム」を搭載した日産ジマンの新型4気筒。従来より15psアップの最高出力165psと、1.8kgm太い最大トルク23.8kgmを発生する。個性のない純然たる実用エンジンだから、ピープルムーバーには最適かも。絶対的な動力性能は十分だが、4ATの設定のせいもあるのかレスポンスがダル。なお、プレサージュの2.5リッターモデルは、「平成12年基準排出ガス25%低減レベル」をパスする。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
前マクファーソンストラット、後マルチリンクビームの典型的な日産大衆車用シャシー。路面によっては突き上げを許し、フロアも頑強というわけでもないが、人員運搬用としては「可」。
ところがタコメーターの針を常時4000rpm以上に置くような走りをすると、さすがは日産車、意外やよく走る。ちょっと古くさいけど、ハンドリングに破綻がない。1.6トンほどのボディがコントローラブル。が、ヒトを乗せてステアリングホイールを握る運転手には、あまり関係のないことで……。
(写真=阿部ちひろ)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年9月12日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:1358km
タイヤ:(前)215/60R16 95H/(後)同じ(いずれもヨコハマ Aspec)
オプション装備:キセノンヘッドランプ(6.0万円)/ISO-FIX対応チャイルドシート用アンカー(0.7万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(9):山岳路(1)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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