スバル・フォレスターXT(4AT)【試乗記】
堅実な進化 2002.04.03 試乗記 スバル・フォレスターXT(4AT) ……284.5万円 2002年2月12日、5年ぶりにして初のモデルチェンジを受けた、スバル「フォレスター」。「地味」といわれた内外装は一新され、中低速域でのトルクアップなど実用性を向上させるという、真面目な進化を遂げた。一番売れ筋のターボモデル「XT」に、webCG記者が試乗した。グッと洗練された
助手席に座るSカメラマンに、「新型フォレスターは、ターボモデルの最高出力が先代より20馬力下がったんですよ」と説明した。撮影のため、神奈川県は横浜へ向かう道中のことだ。2リッターターボ搭載の「XT」は、全受注の6割を占める売れ線モデル。わかりやすいセールスポイントとなる最高出力を下げるとは「勇気が必要だったでしょうね」といいつつ、高速道路の合流でガスペダルをベタ踏みしたら、Sカメラマンが叫んだ。「速いじゃないですか!」
2001年2月12日に、5年ぶり、かつ初のフルモデルチェンジを受けたフォレスターが登場した。ボディ形状もサイズもほとんど変わらない、いわゆるキープコンセプトながら、内外装はグッと洗練された。ボディ剛性アップや、ボディ中央から離れたところに、効率的にアルミ材を用いて軽量化を図るなど、地味ながらスバルらしい堅実なモデルチェンジとなった。ちなみに旧型と較べて、ターボモデルで20kg(NAモデルは30kg)のダイエットに成功した。
10mm短く、5mm高い
四角い目のフロントマスクは目尻がやや上がり、凄みのある顔つきになった。外観で特筆すべきはリアビュー。コンビネーションランプが三角形になり、四角四面で色気のない(失礼!)旧型と較べて、はるかにアカ抜けたと思う。
内装にも工夫が凝らされていた。基本的なインテリアはグレーのファブリックだが、他に2つのパッケージオプションが、プラス4.0万円で用意される。試乗車のインテリアは「ユーロパッケージ」とよばれる、ファブリックとレザーのコンビネーション。ガンメタリックのセンターコンソールと、細かいパンチングが施されたトリムが、スポーティな印象を与える。他に「フィールドパッケージ」という、明るいブラウンのレザー&ファブリックコンビネーションも用意される。こちらはシートが撥水加工されているから、アウトドアを楽しむ人は重宝するだろう。
小物入れの操作感も向上した。サングラスが入る「オーバーヘッドコンソール」や、センターコンソールの灰皿、カップホルダーなど、フタ付きの入れ物にはダンパーを採用。指でプッシュするだけで、スーっと自動的に開く。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=4450×1735×1585mm。旧モデルと較べて全長が10mm短縮され、全高が5mm高くなっただけ。ホイールベースは2525mmで変更はない。200mmの最低地上高も変わらず、オールシーズンタイヤを標準で履き、もちろんオフロード走行も、難なくこなす。
緊張しない
ヒップポイント600mmの運転席に座る。これは「最も乗り降りしやすく、運転しやすい」ことにこだわった高さだという。フロントシートはもう少し座面が大きくてもいいと思うが、硬めのクッションで座り心地は良好。座面が上下に50mm動くシートリフターを使えば、背が低くてもちょうどいいドライビングポジションがとれる、ハズだ。ボンネットの左右前端まで目が届く運転席は、車幅感覚が掴みやすい。初代から引き継がれた、フォレスターの美点である。ドライバーをむやみに緊張させない、心なごむ運転席、といったらいいすぎか。
従来比で膝前スペースが25mm拡大したリアシートは、前席より高い着座位置のおかげもあって快適だ。シートバックの厚さも十分あり、座り心地もよい。後席中央にもヘッドレストと、荷室の天井から伸びる3点式シートベルトが備わる。
ニューフォレスターのターボモデルは、従来比20psダウンの220ps/5500rpmに設定された。これは過給器のタービン径を小さくし、レスポンスの向上と実用域でのトルク向上を重視したためだ。31.5kgm/3500rpmの最大トルクは、新型の方が500rpm発生回転数が低くなった。そのおかげで0-100km/h加速は、旧型より0.2秒速い7.0秒。初代のネックだった燃費も向上し、10・15モードで、1リッターあたり13.0kmとした。派手なセールスポイントを切り捨てても実用性を向上させる。堅実な進化にリポーターは、好感をもった。ちなみに、中低速トルクに定評があった、2.5リッターNAエンジンは、ラインナップから外された。
ストロークがあり、よく動く4輪ストラットのサスペンションも健在。路面のデコボコを、角の取れたショックでいなす。215/60R16のオールシーズンタイヤのせいもあってか、路面のあたりはフワフワ柔らかめだが、姿勢変化は少ないから、直進性はもとより、コーナリング時も不安を感じない。
キープコンセプトで正常進化を遂げたフォレスター。パッケージングも性能も、万人にお勧めできるクルマといえる。乗る人に緊張を与えない、ドライビングポジションや乗り心地もマル。唯一の欠点(?)は、あいかわらず「速い」ことでしょうか。飛ばし過ぎには、十分お気を付けください。
(文=webCGオオサワ/写真=清水健太/2002年3月)

大澤 俊博
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