メルセデスベンツE240(5AT)【ブリーフテスト】
メルセデスベンツE240(5AT) 2000.10.04 試乗記 ……595.0万円 総合評価……★★★★余裕は200ccだけじゃない
排気量2.6リッターとなるも、名前は変わらずE240。値段も変わらず595.0万円。最高出力も変わらず170ps……とはいえ「中低回転域でのパフォーマンス向上」を謳い、400rpm低い5500rpmで発生。最大トルクは、1.6kgm増しの24.5kgm/4500rpmとなった。
2000年でデビュー5年目となるEクラス。久しぶりに乗って「鈍重さ」がだいぶ薄れた、と感じた。パワーソースの出力向上はもちろん、力の出し方を変えたのが効いているのだろう。走り出しがスムーズに、かつスロットルレスポンスが俄然よくなった。
路面を踏みしめて走るがごとき重厚な乗り味、巡航時の静粛性、といった美点は相変わらず。ベンツの運転を楽しんでいる自分にオドロク。
緩慢な出足で「安全な運転」を押しつけることをやめた(?)メルセデス。余裕は、200ccの排気量アップだけではない。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1995年のデビュー時には、丸目4灯が話題となった「W210」型Eクラスは、「研究」「開発」「生産」にかかるコストに非常な意が払われた最初のメルセデスである。スリーポインテッドスターが、「普通の」自動車会社になるターニングポイントに現われたモデルといえる。当初、2リッター直4から4.2リッターV8まで9種類に及ぶエンジンが用意された。96年にワゴンボディが追加され、翌年、モジュラーエンジンたるニューV6および4WDモデルが導入された。
(グレード概要)
日本に正規輸入されるEクラスセダンは、E240、E320、同4マチック(4WD)、上級トリム版の同アバンギャルド、そしてE430アバンギャルドの5車種。最新のE240は、1995年10月導入のE230(2.3リッター直4)、97年のE240(2.4リッターV6)の後を継ぎ、2000年8月25日にカタログに載った2.6リッターV6モデルである。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
ウェルナットパネルを贅沢に使ったシンプルかつ重厚なインパネまわり。各種ボタンはわかりやすく、使いやすい。しかし、雰囲気を壊さないためか、ナビゲーションシステムの画面がセンターコンソールの低い位置に置かれ、見にくい。
(前席)……★★★★
ザックリとした織りのファブリック。事務的ながら耐久性は高そうだ。硬い座り心地。シートのサイズは大きめで、「曲がり」では上体が左右に揺れるが、最後にはしっかりとしたサイドサポートが支えてくれる。
(後席)……★★★★★
前席同様、クッションは硬め。お尻、背中をやや沈ませて座らせるシート形状。乗員の着座姿勢をクルマが指定する。膝前、頭上とも充分な空間。カンパニーカーに最適。エアコンのブロワー、アームレスト、高さ調整可能なヘッドレストが備わる。
(荷室)……★★★
先代比33mmのホイールベース延長は、後席スペースの拡充にあてられた。荷室の大きさは、床面最大幅が135cm、奥行き100cm、高さ50cmと、ボディサイズから見て順当なところ。スランクスルー機構は備わらない。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
2.6リッターV6SOHCは、吸気側2バルブ、排気側1バルブの3バルブユニット。排ガスが高温を保ったまま触媒を通るため、浄化効率が高いという。200ccの排気量増大に伴うトルクの向上は1.6kgmだが、数値以上の力強さを感じる。5段ATは、ロウで約50km/h、セカンドで約80km/h、サードで約130km/hと、細かくギアを切っている。もちろん、通常ははるかに低い速度でシフトする。スムーズだ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
どっしりとした走りは、乗り手に安心感を与える。街なか、高速とも文句ナシ。スタリングフィールは自然で上等。山道をトバすと、切り返し時などにロールが残りがちだが、それはクルマにそぐわない運転のせいである。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者: web CG 青木禎之
テスト日: 2000年9月8日
テスト車の形態: 広報車
テスト車の年式: 2000年型
テスト車の走行距離: 891km
タイヤ :(前)215/55R16 98H(後)同じ(いずれもContinental ContiEcoContact CP)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態: 高速道路(6):市街地(3):山岳路(1)
走行距離:323.4km
使用燃料 :--
参考燃費:--

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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