フェラーリ550マラネロ(6MT)【試乗記】
『485psの蹂躙』 2000.09.12 試乗記 フェラーリ550マラネロ ……2390.0万円 記者としてクルマにかかわること27年。二玄社の古株テスター道田宣和が、手元に残したメモから「web CG」のために書き下ろしたショートインプレッション!2390.0万円
「週末はシューマッハ」なんちゃってね。ティフォシのみなさん、2000年F1第14戦イタリアGP、モンツァでの優勝おめでとう。
かくいう小生も先日久しぶりにフェラーリのステアリングを握り、楽しいひとときを過ごしたところだ。弊社刊『CG選集 フェラーリ2』の表紙撮影にかこつけて、550マラネロをコーンズから借り出したのである。こんなことでもないとなかなか乗れないからね。なにしろ2390.0万円ものクルマとなると、臨時に掛ける保険料だけでも半端な額じゃないんだから。
|
普通のセダン?
と、ふだんよりは気合いを入れて目の前の海岸通りへと乗り出したのだが、恐れることはなにもなかった。クラッチが重いほかは実に乗りやすいのである。
900rpmで回るアイドリングは渋滞のなかでも安定していて余計な心配をしないですむし、5.5リッターもの排気量はどんな踏み方をしてもトルクたっぷりで、街なかだとほんの2000rpmも回しただけですぐに前のクルマにつかえてしまうほどだ。
おまけに室内は広々としすぎていてかえって緊張感に乏しい。なんだ、これじゃふつうのセダンと変わりがないじゃないか!
|
3000rpmを超えたなら
そう思いつつ東名に乗り入れたとたん、強烈なショックに見舞われた。3000rpmを越えたところで音が変調したかと思うとそれからあとが凄まじかった。揚げ足が予想を超えて一気に高まり、7000rpmのリミット兼ピークパワーに向かって猛然と加速するのである。
視界が急速に狭まる。イカン、このままだと485psの蹂躙を許すことになる。免許も大事だが、あいにくこの日は路面がウェットで、しかもすでにハイドロプレーニング気味だったのだ。
今回借り出した跳ね馬が、古典的なRWD(後輪駆動)にもかかわらずノーズが軽いのは、翌日、無事に撮影を終えた気安さから伊豆スカイラインを存分に楽しんでみてよくわかった。そう、550はその名のとおり正真正銘マラネロ生まれの純血種だったのである。
(文=別冊編集室 道田宣和/写真=小河原認/テスト日=2000年7月25〜26日)

道田 宣和
-
日産エクストレイルNISMOアドバンストパッケージe-4ORCE(4WD)【試乗記】 2025.12.3 「日産エクストレイル」に追加設定された「NISMO」は、専用のアイテムでコーディネートしたスポーティーな内外装と、レース由来の技術を用いて磨きをかけたホットな走りがセリングポイント。モータースポーツ直系ブランドが手がけた走りの印象を報告する。
-
アウディA6アバントe-tronパフォーマンス(RWD)【試乗記】 2025.12.2 「アウディA6アバントe-tron」は最新の電気自動車専用プラットフォームに大容量の駆動用バッテリーを搭載し、700km超の航続可能距離をうたう新時代のステーションワゴンだ。300km余りをドライブし、最新の充電設備を利用した印象をリポートする。
-
ドゥカティXディアベルV4(6MT)【レビュー】 2025.12.1 ドゥカティから新型クルーザー「XディアベルV4」が登場。スーパースポーツ由来のV4エンジンを得たボローニャの“悪魔(DIAVEL)”は、いかなるマシンに仕上がっているのか? スポーティーで優雅でフレンドリーな、多面的な魅力をリポートする。
-
ランボルギーニ・テメラリオ(4WD/8AT)【試乗記】 2025.11.29 「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
-
アルピーヌA110アニバーサリー/A110 GTS/A110 R70【試乗記】 2025.11.27 ライトウェイトスポーツカーの金字塔である「アルピーヌA110」の生産終了が発表された。残された時間が短ければ、台数(生産枠)も少ない。記事を読み終えた方は、金策に走るなり、奥方を説き伏せるなりと、速やかに行動していただければ幸いである。
-
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
NEW
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
NEW
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RS
2025.12.4画像・写真およそ3年ぶりに、日本でも通常販売されることとなった「ホンダCR-V」。6代目となる新型は、より上質かつ堂々としたアッパーミドルクラスのSUVに進化を遂げていた。世界累計販売1500万台を誇る超人気モデルの姿を、写真で紹介する。 -
アウディがF1マシンのカラーリングを初披露 F1参戦の狙いと戦略を探る
2025.12.4デイリーコラム「2030年のタイトル争い」を目標とするアウディが、2026年シーズンを戦うF1マシンのカラーリングを公開した。これまでに発表されたチーム体制やドライバーからその戦力を分析しつつ、あらためてアウディがF1参戦を決めた理由や背景を考えてみた。




