第1回 「スーパーカーとは何か?」

2013.06.07 水野和敏的視点

市販車のダウンフォースには限界がある

スーパーカーを考える上で、まずはレーシングカーと市販のスポーツカーの違いについて考えてみましょう。

レーシングカーは走行するサーキットに合わせてセットアップできるという特徴があります。また、レーシングカーは市販のスポーツカーとは違い、歩道の縁石に乗り上げるなんてことはないし、路面にできた大きな穴に車輪を落とすなどということもありません。そういったことを踏まえた上で、両者のサスペンションについて本質的な違いを指摘するならば、それはストローク量が全然違うということです。

レーシングカーのストローク量は30~40mmしかありません。しかし市販車だと60~70mmはあります。そのため、市販車は姿勢の変化がどうしても大きくなりますから、ボディーの下面でダウンフォースを生み出すフラットボトム構造は採用しにくくなってきます。なぜなら姿勢変化が大きいと、床下を通過するエアフローの状態が大きく変化してダウンフォースが不安定になり、操縦安定性に大きな影響を与える恐れがあるからです。

例えば、「日産GT-R」では、車速250km/hで150kgのダウンフォースが発生するくらいで止めてあります。それ以上ダウンフォースを大きくすると、操安性の変化がはっきりと表れて、違和感を覚えることになるからです。私は、このレベルのダウンフォースが市販車にとってはひとつのガイドラインになると考えています。

それでも、150kgのダウンフォースがもたらす効果はかなりのものです。GT-Rだと220~230km/hあたりから姿勢がビターッと安定してきます。同時に乗り心地もよくなってきます。

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