究極のオープン「アヴェンタドールJ」登場【ジュネーブショー2012】
2012.03.09 自動車ニュース【ジュネーブショー2012】究極のオープン「ランボルギーニ・アヴェンタドールJ」登場
伊ランボルギーニは、2012年3月6日に開幕したジュネーブモーターショーに、スーパースポーツ「アヴェンタドール」のオープンモデルである「アヴェンタドールJ」を出品した。
■公道走行可能なワンオフモデル
ルーフばかりかフロントウィンドウまで取り去った究極のオープンスポーツ、それが「ランボルギーニ・アヴェンタドールJ」だ。名前にある「J」は、モータースポーツで使用される車両を分類・定義する「FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項」に由来する。
6.5リッターV12を積む「ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4」をベースとしたアヴェンタドールJは、ベース車両同様、カーボンモノコックボディーを採用。オープン化にともないモノコックの多く部分が新設計されて、必要な補強も施されるが、車両重量はベースモデルよりもむしろ軽いという。
ボディーサイズは全長×全幅×全高=4890×2030×1110mmと、全高の低さが際だっている。最も高い位置にあるのは、アームの先端に取り付けられたルームミラーと、シート後方に設けられた2本のロールオーバーバー。運転席、助手席の前方にはウインドディフレクターが設けられるが、走行時にはヘルメットやゴーグルなどが不可欠。そのぶん、通常のオープンカーとは別次元のスピード感が味わえるはずだ。
アグレッシブな印象を与えるフロントマスクは、レーシングカーを連想させるカーボン製のエアインテークが圧倒的な存在感を放っている。一方、リアには大型のリアウイングとリアディフューザーを設置することで、優れた空力特性を実現。特徴的なデザインの4本のテールパイプとテールランプとともに、パフォーマンスの高さを誇示するかのようだ。跳ね上げ式のドアはアヴェンタドール譲り。フロント20インチ、リア21インチの5スポークアルミホイールはセンターロック式で、カーボンのインサートはベンチレーション効果をもたらすという。
インテリアは、ボディー同色のセンターコンソールによってドライバーとパッセンジャーが分断される。ナビゲーションシステムやオーディオは装着されず、走りを楽しむための最低限の機能が用意されるだけだ。ダッシュボードやシートに見られるカーボン柄の素材は、本物のカーボンファイバーを織り上げたのち、特殊な樹脂を浸透させた「カーボンスキン」。自動車に採用されるのはこれが初めてで、適度に柔軟性が確保されるため、将来的には、ファッションなど自動車以外の分野での応用も期待されている。
すべてがスペシャルなアヴェンタドールJは、単なるコンセプトカーと思いきや、公道走行が可能な“ワンオフ”モデルであり、ジュネーブショーの閉幕後は、幸運なオーナーの手元に届けられるということだ。
(文=生方聡)