第4回:“大陸サイズ”のSUV
2013.09.25 世界のNISSAN、イッキ乗り!「パスファインダー ハイブリッド」「キャシュカイ+2」「エクステラ」に続いては、とりわけ大きなSUVを紹介。特設のオフロードコースや一般道で試してみた、その感想は?
日産パトロール/インフィニティQX80
■走るVIPルーム
「トヨタ・ランドクルーザー」とならぶ日本が誇るジャパニーズオフローダーとして、かつて日産には「サファリ」があった。そんなサファリは2007年に日本から姿を消したが、ところがどっこい海外向け(車名は「パトロール」)にきちんとフルチェンジして今も健在。最新型パトロールはランクル200よりぜいたくな四輪独立サスで、ロールを抑制する最新ダイナミクス制御システムも搭載。しかもインフィニティブランドの豪華版「QX80」も、2011年に登場している。
海外専用車ということでタガがはずれたのか、最新パトロールのボディーサイズはランクル200より堂々と大きく、QX80はそれに輪をかけて長い。乗り味もヘビー級のラグジュアリー本格オフローダーそのもので、外界から隔絶されたまさに金庫に乗って浮遊している感じ。これぞ世界のVIPルーム。
日産技術の粋を集めたハイエンドSUVだけに、パトロールもQX80も全数を日産車体九州が生産するメイド・イン・ジャパン。“日本で作る輸出専用車”という最近ではけっこうめずらしいケース。いやいや、いまも日本で作っているんだったら、ぜひ日本でもサファリ復活を! 待っている人は(数は少ないかもしれないけど)確実にいる。
(文=佐野弘宗/写真=日産自動車)
日産アルマーダ
■開拓時代の荷馬車のように
怪力「タイタン」(ピックアップトラック)の乗用SUV 版が「アルマーダ」。全長5.3m級、全幅2m以上にもなる巨体だから日本では持て余すが、これぐらいの存在感がないと、アリゾナあたりの大荒野では風景に負ける。典型的な日産顔をぶっといクロムの枠で組み立てたところ、けっこう日本離れしているかも。
強大なトルクに任せた、ある意味かなり大ざっぱな走行感覚もアメリカ的。高い運転視点で広いボンネット越しに周囲を睥睨(へいげい)し、5.6リッターものV8ピストン一本一本が逞(たくま)しく空気を吸っては吐くのを味わうのは、馬車の御者台から馬を操った開拓時代を思い起こさせるのかもしれない。
大ざっぱといっても勘どころは押さえてあり、コーナーに向けて切り込むと、けっこう敏感にフロントの踏ん張り感が伝わってきて、素直に曲がれてしまう。シートのサポート感も満足できるレベルだし、巨大なホイール/タイヤからのドタドタ感も気にならない。アメリカで一大勢力を誇るカテゴリーだが、たしかに、こんなクルマがあったら、オーソドックスなセダンに逆風が吹くのも理解できる気がする。でも、もう新時代には似合わないけどね。
(文=熊倉重春/写真=日産自動車)

佐野 弘宗
自動車ライター。自動車専門誌の編集を経て独立。新型車の試乗はもちろん、自動車エンジニアや商品企画担当者への取材経験の豊富さにも定評がある。国内外を問わず多様なジャンルのクルマに精通するが、個人的な嗜好は完全にフランス車偏重。
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