「トヨタFT-1」の市販可能性は?【デトロイトショー2014】
2014.01.15 自動車ニュース ![]() |
【デトロイトショー2014】「トヨタFT-1」の市販可能性は?
2014年1月13日に開幕したデトロイトショー。トヨタがスポーツカーのコンセプトモデル「FT-1」を公開し、日産は「スポーツセダンコンセプト」を発表するなど、日本車メーカーは力の入った新作をそろえた。トヨタ、日産、ホンダのブースをリポートする。
![]() |
![]() |
■直6ターボエンジンの搭載を想定
デトロイトショーのプレスデイは2日間。日本車勢のプレスカンファレンスは、まず初日に「スタンダードブランド」を行い、「プレミアムブランド」は2日目に回すスケジュールになっていた。
話題をさらったのはトヨタ。事前のアナウンスなしに、スポーツカーのコンセプト「FT-1」を“サプライズ”で披露したのだ。
トヨタのカリフォルニアのデザインスタジオ、Caltyが2年前に開発をスタートさせ、トヨタ本社に提案。プレイステーション用のドライビングシミュレーションゲーム『グランツーリスモ』とコラボレーションしてゲーム上のマシンも製作したところ、トヨタの豊田章男社長も富士スピードウェイを走らせて楽しんでいたという。
会場にはその『グランツーリスモ』が用意されていたが、プレイしてみるとエンジンにはターボが装着されていた。直列6気筒をイメージしているそうだが、その理由は「トヨタ2000GT」や「スープラ」に通じるうえ、サウンドやフィーリングがいいからだという。Caltyのデザイナーたちは、かなりのエンスーぞろいなのだ。
期待せずにはいられないモデルだが、市販の予定はまったくなく、あくまでデザインスタディーだという。とはいえ、モーターショーではハイブリッドカーや燃料電池車など環境対応技術を訴求することが多いトヨタとしては、久々に大胆な提案だ。“ベタ”ではあるが、スポーツカーの提案はテンションがあがっていいなぁ、と思わせるのだった。
■次期「日産マキシマ」の予告編か?
それに対して、最近の日産のコンセプトカーは、そう遠くない将来の市販車につながっている。この「スポーツセダンコンセプト」は、アメリカ市場向けのDセグメントカーである。次期「マキシマ」あたりを想定していると思われ、2年以内に発売される見込みだ。
デザインはスポーティーさが際立っている。日産の常務執行役員兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーである中村史郎氏は、「アメリカのDセグメントカーは周囲に埋没しないよう、強めの表現がもとめられます」と説明した。
フローティングルーフやVシェイプのフロントグリルなどが特徴的で、エッジの利かせ方もこれまでにないほど大胆である。「これが日産の新しいデザインの方向性なのか?」という質問に対しては、「フローティングルーフは『フェアレディZ』でも使われてます。ピラーやウィンドウグラフィックなどのサイドビューもZに似ているでしょう。フェンダーは『GT-R』に近い。現行の日産車で使われているエレメントが多いのですが、今回はそれを強調し、これが日産のカタチですとはっきりと言い切った」とのことだ。
![]() |
一方、ホンダは、2015年発売の「NSX」をなんらかのカタチで見せるのではないかと期待されたが、肩透かし……。すでに何度もショーカーを出展しているうえに、インディレースの会場ではプロトタイプを走らせており、それ以上に進展したカタチで見せるネタがないのだという。というわけで、ホンダブースの主役は「フィット」ということなのだが、日本人的にはまったく新鮮味なし。メキシコの新四輪車工場で生産するというのが唯一のニュースだ。
今回のデトロイトショーは全体的にスポーティーで元気なモデルが多いが、これも景気が上向きな証しか? 日本車勢も攻めの姿勢が見えるのがうれしいところだ。
(文=石井昌道/写真=石井昌道、トヨタ、日産)
関連キーワード:
フィット,
ホンダ,
デトロイトモーターショー2014, 自動車ニュース