第73回「ポルシェ911ターボS」
2014.10.31 水野和敏的視点ポルシェは苦労しているなァ!
このところ、「ボルボS60ポールスター」「スバルWRX STI」「アウディS3セダン」、そして「メルセデス・ベンツCLA45 AMG 4MATIC」と、パワフルなエンジンを搭載するスポーティーな4WDセダンを集中的に取り上げてきました。いずれ劣らぬ個性派ぞろいで、とても興味深い試乗となりましたが、いかがでしたか。
4WDセダンの小特集はここでいったん終わりにして、今回はポルシェ911ターボSに試乗します。911シリーズのフラッグシップは、いろいろな点でスポーツモデルのお手本を示してくれるでしょうし、同時にリアエンジンという今日では必ずしも合理的ではないパッケージングをどのように高性能化し、スタビリティーという限界安全を進化させてきたのか、非常に興味深い開発ストーリーをわれわれに語りかけてくれることでしょう。
911ターボSには、最高出力560ps/6500-6750rpm、最大トルク71.4kgm/2100-4250rpmという強心臓が搭載されます。駆動方式は電子制御多板クラッチを介して、必要に応じてフロントにトルクを送る4WD。旧モデルと比較して、ホイールベースが100mm長くなり、前後のトレッドも拡大されました。
また、現行の911ターボシリーズには、「ポルシェ・アクティブ・エアロダイナミクス・システム(PAA)」が、同社のモデルで初めて採用されました。
これはフロントのエアダムとリアウイングの角度が、互いに関連しながら3段階に変化するというものです。興味を引かれると同時に、「ポルシェのエンジニアは苦労しているなァ。でも、進化というお客さまへのもてなしには、プロの魂を込めているな」との感を強くしました。
リアスポイラーは、前から流れてきた空気が、車体のおしり付近で渦を巻くのを抑える働きをします。クルマのリア付近で空気の流れが乱れたり渦を作ったりすると、クルマの後方に負圧が生じ、走行中のクルマを後ろから引っ張るカタチになったり、クルマを持ち上げる力になったりするのです。これは大変具合が悪く、厄介なものです。
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